科目足切り40%ルールの戦略論 — 「投資理論20点」をどう確保するか
📅 2026年9月22日 公開
「合計60点」だけでは合格できない
KKTの合格要件は2つあります。
- 総合で60点以上(100点満点)
- 各分野で40%以上 — 会計10点・経済10点・投資理論20点
見落とされがちなのは2つ目です。たとえば会計25点・経済25点・投資理論19点=合計69点。総合では合格ラインを9点も上回っていますが、投資理論が足切り(20点)に1点届かないため不合格です。
この非対称なルールが、KKTの学習配分を決定づけます。
足切りが最も厳しいのは投資理論
3分野の足切りラインを絶対点で見ると、投資理論だけが突出しています。
| 分野 | 配点 | 足切り | 総合60点への寄与目安 |
|---|---|---|---|
| 会計 | 25 | 10点 | 15〜17点 |
| 経済 | 25 | 10点 | 16〜20点 |
| 投資理論 | 50 | 20点 | 25〜32点 |
投資理論は足切り20点を超えるだけでは全く足りません。総合60点を作るには、配点の半分を占めるこの分野で25〜32点は必要です。つまり投資理論は「足切り回避」ではなく「主戦場」として扱うべき分野なのです。
逆に会計・経済は、足切り10点に対して目標16点前後。足切りには十分な余裕があるので、満点を狙わずに撤退ラインを引ける——これが3分野の性格の違いです。
投資理論20点は「どう」確保するか
過去問10年分析で判明したとおり、投資理論の分野別配点は10年間ほぼ固定されています。この構造を使えば、20点確保の設計は具体的に描けます。
| 分野 | 年あたり配点 | 難易度・特徴 | 優先度 |
|---|---|---|---|
| 効用理論 | 5点前後 | 型が反復。確実等価額の3ステップ | ★★★ 最優先 |
| CAPM | 7点固定 | 9年連続7点。最も型が安定 | ★★★ 最優先 |
| リスクニュートラル | 5〜7点 | 状態価格の連立方程式が定番 | ★★★ 最優先 |
| デリバティブ | 10〜11点 | 単一分野で最大。二項モデルは10年連続 | ★★☆ 前半だけでも |
| 債券 | 8〜9点 | レート換算・デュレーション | ★★☆ |
| 株式 | 8〜9点 | DDMが10年連続 | ★★☆ |
| ポートフォリオ | 5点前後 | 接点ポートフォリオは計算が重い | ★☆☆ 後回し可 |
効用理論+CAPM+リスクニュートラルの3分野だけで17〜19点。ここに二項モデルの基本形とDDMの定率成長を加えれば、足切り20点は十分に射程に入ります。合格を狙うならさらにデリバティブ・債券・株式の定番問題を積み上げる——という順序です。
会計・経済の「撤退ライン」を決めておく
足切りに余裕がある会計・経済では、深追いしない判断が重要になります。
- 会計: 知識問題(問1〜3)で15点前後を確保できれば足切りの心配はほぼ消えます。計算問題(問4〜5)は企業結合を中心に取れる分だけ。会計の勉強法参照
- 経済: 4大計算パターンを仕上げれば16点は安定。マイナー論点の深掘りより、投資理論に時間を移すほうが総合点は上がります
「あと5時間あるなら、会計の細かい論点を追うか、投資理論のデリバティブを固めるか」——迷ったら後者です。限界的な1時間の得点効率は、常に投資理論が高いのがKKTの構造です。
本番での足切り防衛
学習段階だけでなく、本番の解答順でも足切りは意識すべきです。時間配分戦略で見たとおり、合格者は投資理論に80〜100分を確保していました。
絶対に避けるべきは、会計・経済で粘りすぎて投資理論が時間切れになることです。投資理論の問題を白紙で残すのは、足切りに直結する最悪の失点です。時計を見て、予定時刻になったら未練を残さず投資理論へ移ってください。
まとめ — 60点の設計図
足切りルールから導かれる標準的な得点プランは「会計16+経済16+投資理論30=62点」。3分野すべてで足切りをクリアしつつ、合格ラインを2点上回る現実的な設計です。この設計図を紙に書いて、学習時間の配分と本番の時間配分の両方に反映させてください。
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📚 参考文献・参考リンク
- 当サイト類題データベース(2016〜2025年度・753問)の集計
- アクチュアリー受験研究会 KKT合格体験談(会員向け)