KKT合格者7人の体験談を分析② — 目標は60点台。過去問の回し方と直前期の詰め方
📅 2026年8月4日 公開
前編に続き、アクチュアリー受験研究会で発表された2020〜2025年度のKKT合格体験談(7名・8本)の分析です。後編のテーマは「点の取り方」。教材と順序が同じでも、合否を分けるのはここから先の実行部分です。
発見④ 合格者は満点を狙わない — 合格ラインから逆算する設計図
体験談で目標点数を明示していた3名の得点プランを並べてみます。
| 会計(25点) | 経済(25点) | 投資理論(50点) | 合計 | |
|---|---|---|---|---|
| 合格者A(学生・3年目に合格) | 15 | 15〜20 | 30〜40 | 70点前後 |
| 合格者B(大学院生) | 20(最低15) | 23(最低18) | 45(最低35) | — |
| 合格者C(経済学部・文系) | 15±2 | 20以上 | 25±2 | 60〜65 |
※合計欄は各体験談で本人が掲げた総合目標をそのまま載せています。分野別の数値の単純合算とは一致しない場合があります。
目標の高さは60点台から80点台まで人それぞれですが、共通しているのは「会計は最低15点を確保し、満点はどの分野でも狙わない」という設計です。ある社会人合格者はこれを独自の経験則として定式化していました——出題側の事情で約2割は「捨ててよい問題」であり、自分の練度の限界でさらに2割弱は失点する。だから捨て問を見極めて実質満点を上げ、ミスを減らして歩留まりを上げることに集中する、という考え方です。多数の小問を180分で解くKKTでは、「どれを解かないか」の決断力が得点力の一部なのです。
発見⑤ 過去問は「6〜15年分を、分析しながら2周」
過去問の分量は6年分で打ち切った人から15年分×2周した人まで幅がありますが、中央値は約10年分・2周。そして分量以上に共通していたのが「回し方」です。
- 間違いを記録する: 解けなかった問題をデータベース化・メモ用紙に集約し、定期的に見直す(複数名)
- 間違いの原因を分類する: 「計算ミスの一言で片づけず、記号の書き方・電卓操作・公式の理解不足まで分解して対策する」という徹底ぶりの合格者も
- テーマで串を刺す: 年度順に漫然と解くのではなく、同じテーマの問題を年度をまたいで連続で解き、出題パターンを体に入れる
つまり合格者にとって過去問は「腕試し」ではなく、弱点の発見装置でした。解きっぱなしにせず、間違いの在庫管理をした人が受かっています。
発見⑥ 暗記は「道具化」する — カード・自作資料・直前詰め込み
会計を中心とした知識問題対策も、やり方が揃っていました。
- 暗記カードアプリ(Anki等)の活用: 複数名が使用。用語知識をスキマ時間で回す
- 自作の暗記資料: 過去問で怪しかった知識をすべて1つの資料に集約し、直前期はそれだけを見る
- 12月の詰め込みを設計に入れる: 「直前1か月で暗記を詰め切る」前提でスケジュールを組む合格者が複数。詰め込みは悪ではなく、計画的にやれば武器です
「作ることで満足して回しきれなかった」という反省もありました。カードや資料は作る時間より回す時間——これも体験談から拾える教訓です。
発見⑦ 失敗談にこそ再現性がある
体験談の価値は成功例だけではありません。率直に語られた失敗には、明確な共通パターンがあります。
- 「12月1日時点で過去問49点」からの挽回: 苦手分野(会計の計算・債券・株式分析)を放置していたことに直前で気づき、最後の1か月で集中的に潰して合格した例。苦手の可視化が遅れると、これだけ危ない橋になります
- 2回の不合格Ⅰを経て3年目に合格: 他の数理系科目に受かる力があってもKKTに苦しむケースは現実にあります。敗因分析の末にたどり着いたのが「会計は設例暗記で15点を確実に」という守りの戦略でした
- 「過去問をもっとやればよかった」「教科書通読に時間をかけすぎた」: 反省の定番。インプット過多・アウトプット不足は、真面目な人ほど陥ります
後編のまとめ — 合格者の実行部分を、そのまま再現する
7名の「点の取り方」を1行にすると——「合格ラインから逆算して目標点を設計し、過去問を分析的に2周し、間違いを在庫管理し、直前期に暗記を詰め切る」。これも本サイトの機能でそのまま再現できます。
- 過去問の反復: 類題トレーニングは過去10年分の問題を数値を変えた類題として収録。「答えを覚えてしまって2周目が効かない」という過去問反復の弱点を、数値変更で回避できます。間違えた問題の記録もサイト側が自動でやります
- 知識の詰め込み: 暗記カード機能で、合格者たちがAnkiでやっていた反復をブラウザだけで実行できます
- 時間配分の練習: CBT形式の模擬試験で、体験談全員が重視していた「時間を計った通し演習」を本番同等の画面で行えます
- 試験仕様への変換: そして標準装備の一冊。前編で見たとおり、ほぼ全員が使っていました
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体験談の原典(発表動画・資料)はアクチュアリー受験研究会の会員向けに公開されています(無料登録)。先人の生の声に触れながら、あなたの合格体験談が来年のキックオフで語られる番になることを願っています。
※ 厳密に言えば(補注)
- 「約2割は捨ててよい問題」という割合は、体験談中の一人の合格者の経験則であり、試験実施団体の公表資料等による裏付けがある数字ではありません。捨て問の量や見極め方は年度や受験者の得意不得意によって変わります。
- 「所詮1〜2点」も体験談中の割り切り方の紹介です。実際の配点は年度・問題によって異なり、計算の重い問題が相応の配点を持つ場合もあるため、本番では配点と残り時間を見て後回しの判断をしてください。
- 本記事の分析対象は合格者の体験談のみ(7名・8本)で、不合格者との比較はしていません。紹介した勉強法は「合格者に共通して見られた傾向」であり、実行すれば合格が保証されるという因果関係を示すものではありません。
- 模擬試験の「本番同等の画面」とは、CBT形式の出題・時間制限を模した画面という意味であり、日本アクチュアリー会の実際の試験システムと完全に同一であることを保証するものではありません。
- アクチュアリー受験研究会の公開範囲・登録条件(無料登録等)は執筆時点の情報です。最新の条件は同会サイトでご確認ください。
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