KKT合格者7人の体験談を分析① — 全員に共通する「教材3点セット」と学習の順序
📅 2026年8月3日 公開
7人の合格者は、実際に何をしていたのか
勉強法の記事は世の中にたくさんありますが、いちばん確かなのは「実際に受かった人が何をしたか」です。今回は、受験生コミュニティアクチュアリー受験研究会(アク研)のキックオフミーティングで発表されたKKT合格体験談 — 2020年度から2025年度までの6年分・7名(発表資料8本)を読み込み、共通パターンを抽出しました。
内訳は学生6名(経済学部・工学部・情報系・データサイエンス専攻など)、社会人1名。文系出身者も複数含まれます。属性はバラバラなのに、やっていたことには驚くほど共通点がありました。前後編の2回に分けてお届けします。
発見① 全員が同じ「3点セット」で戦っていた
まず教材です。7名が使った教材を並べると、ほぼ全員が次の3点セットに収束していました。
| 教材 | 役割 | 体験談での使われ方 |
|---|---|---|
| 指定教科書 | 理解の土台 | 「概要把握と理解補助に使い、読了に時間をかけすぎない」が多数派 |
| 『合格へのストラテジー』KKT | 試験仕様への変換 | 7名中ほぼ全員が使用。「ストラテジーが完璧なら経済と投資理論の計算は大体解ける」という声も |
| 過去問 | 仕上げ | 6〜15年分を反復(詳細は後編) |
特に目立つのが『合格へのストラテジー』の存在感です。「教科書→ストラテジー→過去問」という流れは、複数の合格者が図やスケジュール表でほぼ同じ形を描いており、事実上の標準ルートになっています。「合ストで先にイメージをつかんでから教科書に戻る」という逆順の使い方をした合格者もいました。教科書が難しくて挫折しかけたとき、ストラテジーが橋渡しになるからです。
発見② 学習開始は「春」が主流。ただし貯金があれば秋からでも
学習期間も共通していました。7名中5名が3〜5月に学習を開始し、12月の試験まで8〜9か月かけています。一方で、9月開始で合格した人も1名いました——ただしその方は経済学部で日商簿記2級を持っており、「私は間に合ったが、7月くらいには始めた方がよい」と明記しています。
つまり「秋からの短期合格」は、会計・経済の貯金がある人の特殊解です。初学者は春開始・約200時間が標準と考えるのが、体験談ベースでも安全です。
発見③ 分野ごとのアプローチも共通していた
会計 — 「教科書に直行して挫折」が最頻出のつまずき
7名の体験談で最も多く語られていたのが会計の苦労です。「教科書を読み始めたが挫折した」「教科書がかなり難解(特に後半)」という記述が複数あり、対処法もほぼ同じでした——簿記の基礎を先に入れてから教科書に戻る。日商簿記3級〜2級の学習、簿記系の動画教材、入門書(『財務会計講義』の著者による文庫の入門書)などを挟んだ人が目立ちます。簿記1級まで学んでいた合格者は「会計で詰まることはなかった」と証言しており、仕訳の基礎体力が会計攻略の分岐点であることは明らかです。
経済 — 「最も点が伸びやすい」で全員一致
経済は「教科書が読みやすく、教科書だけでそれなりに身につく」「試験範囲を1周した後の点の伸びは経済が断トツ」と、全員がポジティブに評価しています。目標点数を経済に厚めに置く合格者(25点中20点以上を狙う)もいました。補助教材としては、毎年出題されるゲーム理論を深掘りするために『ゲーム理論ワークブック』を必要箇所だけ使った合格者がいます。
投資理論 — パターン反復。ただし「重い単元」は後回し
「毎年似たような問題が出る」「定番問題だけで7割程度を占める」という認識も共通です。一方で、ポートフォリオ理論の一部(接点ポートフォリオなど)は「重すぎるので思い切って後回し・飛ばす」という判断が複数の体験談で一致していました。また教科書2冊のうち実務篇(Ⅱ巻)は難しいという声が揃っており、「合ストで先にインプットしてから」が推奨されていました。
前編のまとめ — 合格者の「型」はこう再現する
7名の共通項を1行にすると——「簿記の基礎→教科書は地図として→ストラテジーで試験仕様に変換→過去問で仕上げ」。この型は、本サイトの学習リソースでそのまま再現できます。
- 理解のフェーズ: 体験談で挫折ポイントとされた「教科書の難所」は、本サイトの無料講義(全29章)が初学者向けに噛み砕いています。簿記の基礎も会計第2章でカバーしています。
- 試験仕様への変換: 合格者の標準装備『合格へのストラテジー』は必携です。まだ手元にない方はここで揃えてください。
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後編では、合格者たちの「点の取り方」を掘り下げます。全員が満点を狙わず60点台を設計していた事実、過去問の具体的な回し方、直前期の詰め込み方、そして失敗談から学べる教訓——明日公開です。
※ 厳密に言えば(補注)
- 発見①の見出しでは「全員」としましたが、『合格へのストラテジー』の使用がはっきり確認できたのは厳密には「7名中ほぼ全員」です。教材3点セットへの収束は、7名分を並べたときの全体傾向としてお読みください。
- 発見②の「8〜9か月」は、暦月で機械的に数えると3月開始〜12月試験で約9か月、5月開始なら約7か月です。開始月によっては7か月程度になる計算です。
- 「約200時間」「定番問題だけで7割程度」は、体験談中の自己申告や体感に基づく目安であり、統計的に集計・算定した数値ではありません。
- 「標準ルート」「特殊解」「必携」といった表現は、今回読み込んだ7名の体験談に見られた傾向を指すもので、KKT合格者全体を統計的に調査した結論ではありません。また『合格へのストラテジー』は市販の受験対策書であり、日本アクチュアリー会の指定教科書ではありません。
📖 あわせて学ぶ(無料講義・動画)