『合格へのストラテジー 会計・経済・投資理論』— KKT受験生が必ず手元に置くべき一冊
📅 2026年8月13日 公開
「計算問題の7割」を一冊で仕留めるための本
KKTの学習を始めた人が最初にぶつかる壁は、実は内容の難しさではありません。「教科書が分厚すぎて、どこが試験に必要なのか分からない」という距離感の問題です。指定教科書は『財務会計講義』『入門経済学』『新・証券投資論Ⅰ・Ⅱ』と、合わせて2,000ページ級。多くの受験生が、4冊のテキストと過去問を見比べて既出問題や重要箇所にマーカーを塗る——そんな途方もない作業を経験しています。
その作業を肩代わりしてくれるのが、『アクチュアリー試験 合格へのストラテジー 会計・経済・投資理論』(東京図書)です。本書の守備範囲を正確に言うと、試験全体の約7割を占めると言われる「計算問題」に必要な知識・公式をコンパクトにまとめた問題集です。試験範囲のすべてを網羅する本ではありません——だからこそ強い。結論から言います。KKTを受験するなら、この本を手元に置いて、計算問題を先に仕留めてください。本サイトの講義・トレーニングと役割がきれいに補完し合う、受験生の「背骨」になる一冊です。
「合格へのストラテジー」シリーズとは
本書は、数千名規模の受験生コミュニティ「アクチュアリー受験研究会」から生まれた試験対策シリーズの1冊です。シリーズは数学・生保数理・損保数理・年金数理・KKTと1次試験の全科目をカバーしており、いずれも「合格した先輩たちが、受験生時代に欲しかった本」というコンセプトで書かれています。
KKT版の執筆陣も、実際にこの試験を突破してきた実務家たち。だからこそ、学者が書いた教科書とは目線が違います。「試験で問われる形」から逆算して知識が整理されているのです。
この本の4つの強み
① 「全体像→各論」の順で学べる設計
何かを学ぶときは、まず全体像とその目的をざっくりつかんでから各項目に踏み込む——本書は監修者がこの学習観を明言しているとおり、その視点を意識した作りになっています。分野ごとに「何のための理論で、どう問われるのか」が見えるので、教科書を読み進める際のガイドとしても機能します。分厚い教科書のどこが幹でどこが枝葉か、判断の物差しを先にもらえるのです。
② 計算問題(試験の約7割)に必要な知識・公式がコンパクトに揃う
経済の余剰分析・ゲーム理論、投資理論の効用・ポートフォリオ・デリバティブ、会計の償却原価法・退職給付・企業結合——計算問題を解くのに必要な公式と解法が、分厚い教科書から抽出されて一冊に集約されています。「どの公式をどの場面で使うか」まで問題演習の形で身につくのが、単なる公式集との違いです。
③ 計算対策の時間を圧縮し、知識問題に時間を回せる
本書の価値は「何が載っているか」だけでなく「何に時間を使わずに済むか」にあります。教科書とにらめっこして計算論点を自力で拾い出す時間を丸ごと省略できるので、浮いた時間を会計の知識問題対策(こちらは暗記量の勝負です)に集中投下できます。合格者の体験談で共通して語られるタイムマネジメントを、教材の側から支えてくれる設計です。
④ 試験本番で効くアドバイス・テクニックが随所に
時間配分や計算の省力化など、本番で役立つ実戦的なアドバイスが随所に盛り込まれています。執筆陣は受験生コミュニティ「アクチュアリー受験研究会」から生まれた合格者たち。独学者にとっては、隣に先輩がいてくれるような一冊です。
本サイトとの最強の組み合わせ方
使い始めるタイミングは、監修者が勧めるとおり「教科書(または本サイトの講義)をおおまかにでも一巡したあと」が基本です。ゼロの状態でいきなり問題集に入るより、一巡後の知識の整理・定着に使うほうが効果が出ます。「ゼロから始めるKKT」の講義と本書は、次のように役割分担させるのがおすすめです。
| 対象 | 使うもの | 目的 |
|---|---|---|
| ① 理論の理解 | 本サイトの講義(全29章・無料) | 初学者向けの語り口と図で、理論をゼロから理解する |
| ② 計算問題の型づくり | 『合格へのストラテジー』 | 試験の約7割を占める計算問題の公式・解法を効率よく仕留める |
| ③ 計算の反復 | 本サイトの類題トレーニング(10年分) | 数値を変えた類題の反復で、解答手順を体に入れる |
| ④ 知識問題の対策 | 本サイトの講義・暗記カード | 本書で浮いた時間を、会計中心の知識問題の暗記に投下する |
| ⑤ 仕上げ | CBT模擬試験 | 本番形式・180分の時間配分でリハーサル |
特に②→③のループが強力です。トレーニングで間違えたら本書の該当ページに戻って印をつける。試験直前には、印だらけになった本書がそのまま「計算問題の弱点ノート」になっています。直前期に見返すべき1冊が最初から決まっている——これが「マスターする」ことの意味です。ただし繰り返しになりますが、本書は計算問題対策の本です。知識問題(特に会計)は講義と暗記でカバーする——この役割分担を最初から意識してください。
入手方法 — 紙と電子版
紙の書籍はAmazonで購入できます。書き込みながら使い倒すスタイルなら紙がおすすめです。
※本記事のAmazonリンクにはアソシエイト・プログラムのリンクを使用しています。
また、シリーズの電子書籍版はアクチュアリー試験対策ライブラリーで順次配信されています。タブレットで学習する方はこちらもチェックしてみてください。
まとめ — 時間の使い方から設計する
KKTは範囲の広さ、すなわち時間との戦いです。計算問題(約7割)はストラテジーと類題トレーニングで型を作り、浮いた時間を知識問題の暗記に回す——この時間配分の設計こそが、本書が受験生に提供している本当の価値です。講義で理解し、本書で計算を仕留め、トレーニングで反復する。この組み合わせが揃えば、200時間の学習は迷いなく進みます。明日からの3日間で、各分野の指定教科書(『財務会計講義』『入門経済学』『新・証券投資論』)とその著者たちを順に紹介していきます。あわせてお読みください。
※ 厳密に言えば(補注)
- 「計算問題が約7割」は過去問の傾向から言われる目安であり、公式に定められた比率ではありません。年度や集計の仕方(問題数か配点か)によって変わり得ます。
- 指定教科書の正式な書名・版は年度ごとに見直されることがあります。購入前に、日本アクチュアリー会が公表する当該年度の試験要領で最新の版をご確認ください。
- 電子書籍版の配信対象・配信状況は時期により異なります。KKT版の取り扱いを含め、最新の状況はリンク先のライブラリーでご確認ください。
- 会計の知識問題を「暗記量の勝負」と書きましたが、正確には用語・基準の暗記に加えて、会計基準の趣旨を理解し具体的な取引に当てはめる力も問われます。講義で理解したうえで暗記する、という順序が前提です。
- 「200時間」は一定の基礎がある受験生を想定した学習計画の一例です。必要な学習時間は既習分野や理解度によって大きく変わります。
📖 あわせて学ぶ(無料講義・動画)
📚 参考文献・参考リンク
- アクチュアリー受験研究会代表 MAH ほか『アクチュアリー試験 合格へのストラテジー 会計・経済・投資理論』東京図書
- Amazon商品ページ(藤澤陽介氏の推薦文・監修者 三輪登信氏のことばを掲載)
- アクチュアリー受験研究会