小問76問を180分で解く — KKT本番の時間配分戦略
📅 2026年9月10日 公開
KKTは「知識の試験」であると同時に「時間の試験」
KKTの試験時間は180分。過去問10年分析で見たとおり、小問数は年により70〜85問程度、2025年度は76問(完答問題を1問と数えた場合)でした。単純計算で1問あたり2分強。しかも配点は1問1〜2点で、計算量が配点に見合わない問題も混ざっています。
合格体験談を分析した際、全員が共通して重視していたのが時間配分でした。ある合格者は「どの問題を解き、どの問題を捨てるかの取捨選択が鍵」と明記しています。今回は、実際の合格者が使った時間配分を材料に、本番の戦略を組み立てます。
合格者が実際に使った時間配分(体験談より)
アク研で発表された体験談に記されていた配分を並べます。
| 合格者 | 配分 | 特徴 |
|---|---|---|
| A(3年目で合格) | 会計用語10分 → 投資理論80分 → 経済35分 → 会計計算・難問・見直しに残り | 易しい知識問題を先に処理し、難問は最後にまとめて |
| B(学生・1次5科目合格) | 会計35分 / 経済45分 / 投資理論100分 | 配点比率にほぼ比例した素直な配分 |
| C(文系・2025年度合格) | 投資理論90〜100分 → 残りを会計3:経済4で配分 | 投資理論を先に確保してから残りを分ける |
3者に共通するのは投資理論に80〜100分(全体の半分前後)を割り当てていることです。配点50点=全体の半分なので、時間も半分。当たり前のようですが、会計や経済で粘りすぎて投資理論の時間を削るのが典型的な失敗パターンです。
推奨する時間設計(配点構造から逆算)
過去問集計による大問構成(会計 問1〜5/経済 問6〜9/投資理論 問10〜17)を踏まえた、標準的な配分案です。
| フェーズ | 時間 | 内容 |
|---|---|---|
| ①会計の知識問題(問1〜3) | 20〜25分 | 知識約15点分。読んで即答できるものを確実に拾う |
| ②投資理論(問10〜17) | 85〜95分 | 各大問10分前後+予備。定番の型から先に |
| ③経済(問6〜9) | 35〜40分 | 4大計算パターンを優先。重いゲーム理論は後回し可 |
| ④会計の計算(問4〜5) | 15〜20分 | 企業結合など。仕訳を書いて機械的に |
| ⑤見直し・捨て問への再挑戦 | 残り時間 | マークずれの確認を最優先 |
順番は「得意分野から」で構いませんが、投資理論を後回しにしないことだけは守ってください。足切り20点があるため、時間切れで投資理論が空白になると、他がどれだけ取れていても不合格になります。
「捨てる」技術 — 3つの判断基準
体験談には「詰まったら飛ばす(所詮1〜2点)」「計算量が配点に見合わない問題は飛ばす」「各大問の最後の設問は計算が重くなるので飛ばす」といった記述が繰り返し登場します。実践的な判断基準にすると——
- 30秒ルール: 問題を読んで30秒で解法が浮かばなければ、いったん飛ばす。CBTなのでフラグを立てて後で戻れます
- 大問の末尾は要注意: 小問(1)(2)は易しく、(3)(4)で急に重くなる構成が多い。前半だけ拾って次の大問へ移るほうが期待得点は高くなります
- 計算量が配点に見合わない問題は捨てる: 5分かかる1点より、1分で解ける1点を3つ取るほうが得です
KKTはCBT(コンピュータ上で受験)です。画面上の問題確認・フラグ機能・計算用紙の使い方に慣れておくこと自体が時間短縮になります。紙の過去問だけで練習していると、本番で操作にもたつく分が丸ごとロスになります。CBT形式の模擬試験で、必ず一度は本番同等の環境を体験してください。
直前期にやるべき「時間の練習」
体験談で全員が挙げていたのが「時間を計って過去問を解く」ことです。ある合格者は「時間配分の感覚を掴むために、必ず時間を計りながら解く」と明記しています。おすすめの順序は——
- 10〜11月: 時間無制限で解法を固める(この段階では速度を気にしない)
- 11月後半〜12月: 180分の通し演習を最低2〜3回。1回ごとに「どの大問で時間を使いすぎたか」を記録する
- 試験1週間前: 自分専用の時間配分表を確定させ、本番はそれに従うだけの状態にする
まとめ
KKTの本番は、知識を思い出す試験であると同時に、限られた180分をどう配分するかという意思決定の試験です。投資理論に半分の時間を確保し、詰まったら飛ばし、易しい問題を確実に拾う——この3つを守るだけで、同じ実力でも得点は変わります。模擬試験で自分の配分表を作っておきましょう。
※ 厳密に言えば(補注)
- 小問数(年により70〜85問程度、2025年度は完答問題を1問と数えて76問)と大問構成は、当サイトが実試験10年分(2016〜2025年度)を類題化した集計に基づく数字です。数え方(完答問題の扱い等)により変わり得ます。
- 時間配分の実例は、アクチュアリー受験研究会で発表された合格体験談(2021〜2026年キックオフ、7名・8本)に記載されていたものです。「全員が重視していた」も、この7名の資料に共通して見られた傾向を指します。
- CBT画面のフラグ機能・問題間の移動・計算用紙の扱いは、試験実施団体・会場の運用により異なる場合があります。当日の操作方法は、必ず受験年度の受験案内および試験開始前のチュートリアルでご確認ください。
- 「大問の末尾ほど重い」「30秒で解法が浮かばなければ飛ばす」は、過去問の傾向と体験談から導いた実践的な目安であり、すべての問題に当てはまる法則ではありません。
- 推奨時間配分の表は合計が180分に収まるよう設計していますが、各フェーズで上限側の時間を使うと見直しの余裕がなくなります。ご自身の得意分野に合わせて調整してください。
📖 あわせて学ぶ(無料講義・動画)
📚 参考文献・参考リンク
- アクチュアリー受験研究会 KKT合格体験談(会員向け)
- 当サイト類題データベース(2016〜2025年度・753問)の集計