勉強法

アクチュアリー試験「経済」の勉強法 — 4大計算パターンで25点中16点を取りに行く

📅 2026年8月27日 公開

✍️ 企画: アクチュアリー受験研究会 代表 MAH / 監修: 栗山太一(公認会計士・税理士)|プロフィールを見る

経済は「試験範囲を1周した後に最も点が伸びる」と合格者が口を揃える分野。過去10年の集計で判明した4大計算パターン(余剰分析・ナッシュ均衡・信用乗数・マーシャルのk)を軸に、教科書の読み方から正誤問題対策までの勉強法を解説します。

経済は「あとから一番伸びる」分野

勉強法シリーズ、会計編に続く第2弾は経済です。まず朗報から。アク研の合格体験談を分析すると、経済は「教科書が読みやすい」「教科書だけでそれなりに身につく」「試験範囲を1周したあとの点の伸びは経済が断トツ」と、全員が「伸びやすい分野」として評価していました。理由は明確で、出題が少数の計算パターンに集中しているからです。

過去問10年分析で確認したとおり、経済の計算問題は4大パターン——①余剰分析(10年連続)②ナッシュ均衡(10年連続)③信用乗数(10年で8年)④マーシャルのk(10年で8年)——に収束しています。この構造を前提に、学習を設計しましょう。

学習ロードマップ — 3段階で25点中16点へ

第1段階: ミクロを図で立ち上げる(約12時間)

講義の第1〜5章(需要と供給・消費者行動・生産者行動・市場の均衡と政策・ゲーム理論)がミクロパートです。ここでの鉄則はただ一つ——グラフを必ず自分の手で描くこと。需要曲線・供給曲線・余剰の面積・費用曲線を、講義を読みながら手で再現してください。余剰分析の計算問題は結局「図を描いて面積を計算する作業」なので、図が描ける=解けるとほぼ同義です。

第2段階: マクロを式で立ち上げる(約10時間)

第6〜9章(GDP・乗数・貨幣・IS-LM)がマクロパートです。ミクロが「図」ならマクロは「式」。三面等価、乗数の公式、信用乗数、ケンブリッジ方程式(マーシャルのk)——それぞれ導出を1回たどってから、公式として使い込みます。特に③信用乗数と④マーシャルのkは4大パターンの2つなので、数値を変えて何度も計算練習を。

第3段階: 4大パターンの反復と正誤対策(約18時間)

インプットが終わったら類題トレーニングで4大パターンを集中的に回します。余剰分析は「均衡→課税→死荷重」の手順(税の帰着参照)、ナッシュ均衡は利得表の読み方から混合戦略まで。計算が仕上がったら、残りは正誤問題(問6)対策です。

定番の「問6」正誤判定への備え

計算の4大パターンと並ぶもう一つの柱が、過去10年を通じて一貫して正誤判定形式で出題されている問6です。対策は会計の正誤問題と同じで、「もっともらしい誤り」の作られ方を知ること。経済でよく見るすり替えは——

講義を読むとき「この文はどこを変えられたら誤りになるか」と自問する癖をつけると、初見の正誤問題でも安定して切れるようになります。

教科書『入門経済学』の使い方

指定教科書の伊藤元重『入門経済学』は、指定4冊の中で最も読みやすいテキストです。合格者の使い方はほぼ共通で、「本文は読み物として通読、計算力は問題演習で別途つくる」という分業でした。教科書で経済の物語を頭に入れ、講義で試験仕様の解説を確認し、トレーニングで計算の型を作る——この3点セットが経済の標準装備です。

目標設定の目安: 経済は25点中16点以上。合格者の中には「試験範囲1周後の伸びやすさは経済が一番」として、経済に20点以上を割り当てる得点プランを組んだ人もいます(体験談分析・後編)。会計より高めの目標を置ける分野です。

まとめ — 経済は「パターン認識」の科目

広く浅い会計、深く積み上げる投資理論に対し、経済は「少数のパターンを確実に」の科目です。4大パターンの計算を落とさない状態を作れば、16点は安定します。次回の勉強法シリーズは最終回、配点50点の主戦場・投資理論編です。

※ 厳密に言えば(補注)

  • 本記事で「経済」と呼んでいるのは独立した試験科目ではなく、第1次試験科目「会計・経済・投資理論」(計100点)のうちの経済分野(25点)のことです。
  • 「問6」などの問題番号は、公表されている過去問に基づく整理です。CBT方式では出題順や設問構成が変わる可能性があるため、番号そのものではなく「正誤判定問題への対応力」を養うことが目的です。
  • 「金利が上がると債券価格は下がる」は、厳密には「将来のキャッシュフローが一定の債券について、他の条件を一定として市場利回りが上昇すると価格は下落する」という関係です。「金利」が政策金利・クーポンレート・利回りのどれを指すかで意味が変わる点にも注意してください。
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