投資理論[理論編] ― 第2章

ポートフォリオ理論 ― 分散投資と効率的フロンティア

「卵を 1 つのかごに盛るな」を、数学で証明していきましょう。

第 2 章へようこそ!この章のテーマは、投資理論の開祖ハリー・マーコビッツ(1990 年ノーベル経済学賞)が生み出したポートフォリオ理論です。 「卵を 1 つのかごに盛るな(=分散投資)」という古くからの格言が、実はキッチリした数学で裏打ちできることを学びます。 KKT では投資理論の計算問題として毎年のように登場し、計算力が問われる実戦的な章です。

🎯 この章でマスターしておきたいこと

📚 本章の流れ

  1. 投資のリターンとポートフォリオ
  2. ポートフォリオの期待リターン
  3. ポートフォリオの分散と分散投資の力
  4. 相関係数が生み出す魔法
  5. 安全資産を含めた最適資産配分
  6. 投資可能集合と効率的フロンティア
  7. トービンの分離定理と 2 基金分離定理
  8. 要点まとめ
  9. 演習

1. 投資のリターンとポートフォリオ

1.1 リターンの定義

まず基本のおさらいです。100 万円を投資して 1 年後に 120 万円が戻ってきたら、リターンは 20%ですよね。この計算を数式化しましょう。

投資のリターン $$R = \frac{X_1}{X_0} - 1$$ $X_0$:投資金額、$X_1$:回収金額(売却代金 + 利息・配当などを含む合計)
ここでいう「回収金額」は、実際に売却しなくても「時価」で評価します。100 万円の株が 1 年後に 110 万円の時価になっていれば、売ってなくてもリターン 10% と計算。ファイナンス理論では常にこの計算をします。

1.2 ポートフォリオ=複数資産のバスケット

複数の資産に資金を分けて投資する組み合わせを、ポートフォリオと呼びます。資産 $i$ への投資金額を $X_{i,0}$、全体の投資金額を $X_0$ とすると、

投資比率(ウェイト) $$w_i = \frac{X_{i,0}}{X_0},\qquad w_1 + w_2 + \cdots + w_n = 1$$

ポートフォリオのリターン $R_p$ は、各資産のリターン $R_i$ の加重平均です:

$$R_p = w_1 R_1 + w_2 R_2 + \cdots + w_n R_n$$
空売り(ショート)をするときは $w_i$ がになります。先物や先渡しは「現時点で資金が動かない」ので投資比率の合計には入らない点も要注意(KKT ではまず現物だけで考えれば OK です)。

2. ポートフォリオの期待リターン

将来のリターンは不確実ですので、$R_1, R_2, \ldots$ はすべて確率変数。ここで期待値の線形性を使います。

ポートフォリオの期待リターン $$E(R_p) = w_1 E(R_1) + w_2 E(R_2) + \cdots + w_n E(R_n)$$ 簡単のため $\mu_i = E(R_i),\ \mu_p = E(R_p)$ と書くと $$\mu_p = w_1 \mu_1 + w_2 \mu_2 + \cdots + w_n \mu_n$$

ここからは本章で一貫して使う 2 資産を設定します。

本章の設定
株式 A:期待リターン $\mu_A = 10\%$、標準偏差 $\sigma_A = 20\%$
債券 B:期待リターン $\mu_B = 3\%$、標準偏差 $\sigma_B = 10\%$
(後で登場)リスクフリー・レート $r_f = 2\%$
$(w_A, w_B) = (0.5, 0.5)$ のポートフォリオの期待リターンは $$\mu_p = 0.5 \times 10 + 0.5 \times 3 = 6.5\%$$ $(w_A, w_B) = (0.3, 0.7)$ なら $\mu_p = 0.3 \times 10 + 0.7 \times 3 = 5.1\%$ となります。
投資比率と期待リターンの直線関係
図 2-1 投資比率 $w_A$ を動かすと、期待リターンは直線的に変化します

図 2-1 のとおり、投資比率と期待リターンは綺麗な直線関係になります。ここまでは難しくないですね。

3. ポートフォリオの分散と分散投資の力

さて、ここからが本章の核心です。期待リターンは加重平均でしたが、分散ただの加重平均では済まないのがポイントです。

3.1 2 資産ポートフォリオの分散公式

2 資産ポートフォリオの分散(必ず覚える!) $$\sigma_p^2 = w_1^2\,\sigma_1^2 + w_2^2\,\sigma_2^2 + 2\,w_1\,w_2\,\rho\,\sigma_1\,\sigma_2$$ $\rho$ は 2 資産のリターン間の相関係数共分散を使って書けば $$\sigma_p^2 = w_1^2\,\sigma_1^2 + w_2^2\,\sigma_2^2 + 2\,w_1\,w_2\,\mathrm{Cov}(R_1, R_2)$$
この公式、第 3 項の「$2 w_1 w_2 \rho \sigma_1 \sigma_2$」が主役なんです。ここで相関係数 $\rho$ が出てくることによって、分散投資の「魔法」が起こります。導出方法は1 次結合の分散の公式で確認してください。

3.2 計算例

本章の設定($\sigma_A=20\%, \sigma_B=10\%$)で、$(w_A, w_B) = (0.5, 0.5)$、$\rho = 0$ のとき: $$\sigma_p^2 = 0.5^2 \cdot 20^2 + 0.5^2 \cdot 10^2 + 2 \cdot 0.5 \cdot 0.5 \cdot 0 \cdot 20 \cdot 10$$ $$= 0.25 \cdot 400 + 0.25 \cdot 100 + 0 = 100 + 25 = 125$$ $$\sigma_p = \sqrt{125} \approx 11.18\%$$

ここで面白いのは、加重平均の σ は $0.5 \times 20 + 0.5 \times 10 = 15\%$ ですが、実際の $\sigma_p$ は 11.18% で、3.82 ポイントも下に来ることです。分散投資で「何もせずに」リスクが下がりました!

3.3 なぜリスクが下がるのか ― 分散公式の変形

ちょっと数式で確認してみましょう。分散公式を変形すると:

$$\sigma_p^2 = (w_1\sigma_1 + w_2\sigma_2)^2 - 2(1-\rho)w_1 w_2\sigma_1\sigma_2$$

$\rho \lt 1$(完全正相関以外)のとき、右辺第 2 項はなので、

$$\sigma_p \lt w_1\sigma_1 + w_2\sigma_2\qquad(\rho \lt 1)$$

つまり、$\rho \lt 1$ なら、ポートフォリオの標準偏差は個別資産 σ の加重平均より必ず小さくなる。これが分散投資の正体です。

4. 相関係数が生み出す魔法

相関係数別のリスク曲線
図 2-2 相関係数 ρ によって、ポートフォリオのリスクの振る舞いがガラッと変わります

図 2-2 は、投資比率 $w_A$ を動かしたときの $\sigma_p$ の動きを、4 つの相関パターンで比較しています。

4.1 3 つの極端なケース

相関分散公式意味
$\rho = -1$
(完全負相関)
$\sigma_p = \lvert w_1\sigma_1 - w_2\sigma_2\rvert$ 適切な比率でリスク ゼロを実現できる!
$\rho = 0$
(無相関)
$\sigma_p = \sqrt{w_1^2\sigma_1^2 + w_2^2\sigma_2^2}$ 分散投資の効果あり
$\rho = +1$
(完全正相関)
$\sigma_p = w_1\sigma_1 + w_2\sigma_2$ 分散しても加重平均のまま(効果なし)

4.2 ρ = -1 でリスクゼロになる投資比率

本章の設定で $\rho = -1$ のとき、$\sigma_p = 0$ にする投資比率を求めてみます。 $$\sigma_p = \lvert w_A \sigma_A - w_B \sigma_B\rvert = 0\ \Rightarrow\ w_A \sigma_A = w_B \sigma_B$$ $w_A + w_B = 1$ と合わせて、 $$w_A = \frac{\sigma_B}{\sigma_A + \sigma_B} = \frac{10}{20+10} = \frac{1}{3}$$ このとき $\mu_p = \tfrac{1}{3}\cdot 10 + \tfrac{2}{3}\cdot 3 = \dfrac{16}{3} \approx 5.33\%$。
$\rho = -1$ は現実にはほとんどないですが、「相関係数が小さいほど分散投資の効果が強い」という質的な原理は現実の市場でも常に成立しています。国内株と新興国債券、株式とゴールドなど、相関が低い資産を組み合わせると本当にリスクが下がるんですね。

4.3 最小分散ポートフォリオ

$\rho = 0$ の場合、$\sigma_p^2$ を最小にする $w_A$ はいくつでしょう? $w_B = 1-w_A$ として、

$$\sigma_p^2(w_A) = w_A^2 \sigma_A^2 + (1-w_A)^2 \sigma_B^2$$ $w_A$ で微分して 0 と置くと、 $$\frac{d \sigma_p^2}{d w_A} = 2w_A\sigma_A^2 - 2(1-w_A)\sigma_B^2 = 0$$ $$w_A^{\min} = \frac{\sigma_B^2}{\sigma_A^2 + \sigma_B^2}\quad(\rho=0\ \text{のとき})$$
$\sigma_A = 20\%, \sigma_B = 10\%, \rho = 0$ なら、 $$w_A^{\min} = \frac{100}{400+100} = 0.2,\quad w_B^{\min} = 0.8$$ $$\sigma_p^2 = 0.04 \cdot 400 + 0.64 \cdot 100 = 16 + 64 = 80,\ \sigma_p \approx 8.94\%$$ 債券だけ(10%)より、株を 20% 混ぜた方がリスクが低い(8.94%)!これが分散投資の威力ですね。
相関係数による投資可能集合
図 2-3 $(\sigma, \mu)$ 平面で見る 2 資産の投資可能集合。相関が小さいほど左に切れ込みます

5. 安全資産を含めた最適資産配分

次に、安全資産(リスクフリー・レート $r_f$)を考慮した最適な投資比率を考えます。これは試験で必ず出る計算パターンです。

5.1 投資家の目的関数

第 1 章で学んだように、リスク回避型の投資家は「期待リターンは好むが、リスクは嫌う」性質があります。これを次の形で数式化します。

リスク回避型投資家の目的関数 $$U = E(R_p) - \frac{\gamma}{2}\,\mathrm{Var}(R_p)$$ $\gamma \gt 0$ はリスク回避度を表すパラメータ(大きいほど慎重)。

5.2 1 つのリスク資産 + 安全資産の最適解

株式 A に比率 $w$、安全資産に $1-w$ を投資。ポートフォリオのリターンは

$$R_p = w R_A + (1-w) r_f,\quad \mu_p = w(\mu_A - r_f) + r_f,\quad \sigma_p^2 = w^2 \sigma_A^2$$

目的関数 $U$ に代入して $w$ で微分すると、

最適投資比率(超重要公式) $$w^* = \frac{1}{\gamma}\cdot\frac{\mu_A - r_f}{\sigma_A^2}$$
この式、3 つの読みどころがあります。
リスクプレミアム $\mu_A - r_f$ が大きいほど、リスク資産に多く配分する
リスク $\sigma_A^2$ が大きいほど、リスク資産の比率を下げる
リスク回避度 $\gamma$ が大きいほど、慎重になる
このロジック、実務でも直感的に納得できますよね。

5.3 計算例

株式 A($\mu_A = 10\%, \sigma_A = 20\%$)、$r_f = 2\%$、$\gamma = 5$ のとき: $$w^* = \frac{1}{5}\cdot\frac{0.10 - 0.02}{0.20^2} = \frac{1}{5}\cdot\frac{0.08}{0.04} = \frac{1}{5}\cdot 2 = 0.4$$ つまり、株式 A に 40%、安全資産に 60% 配分するのが最適。
同じ株式 A で、$\gamma = 2$(リスク許容度が高い投資家)なら? $$w^* = \frac{1}{2}\cdot 2 = 1.0$$ 100% を株式に投資するのが最適。

6. 投資可能集合と効率的フロンティア

ここからは投資理論の花形、効率的フロンティアです。

6.1 投資可能集合

$(\sigma_p, \mu_p)$ 平面上で、「ポートフォリオで到達できる点」を全て集めたものを投資可能集合と呼びます。

多資産の投資可能集合と効率的フロンティア
図 2-4 多資産の投資可能集合。北西側の境界が効率的フロンティアです

6.2 効率的ポートフォリオ

効率的ポートフォリオ:同じ標準偏差(リスク)を持つポートフォリオのなかで、期待リターンが最大のもの。
投資可能集合の北西方向の周縁(図 2-4 の太い紫色の曲線)にだけ存在します。

下半分(同じ σ でもっと高い μ が存在する領域)は非効率。リスク回避型の投資家がわざわざここに投資する理由はありません。

6.3 最小分散ポートフォリオ

効率的フロンティアの一番左の点(=最も σ が小さい点)が最小分散ポートフォリオ。先ほど 4.3 節で計算した通り、2 資産・$\rho=0$ なら $w_A = \sigma_B^2/(\sigma_A^2+\sigma_B^2)$ で求まります。

7. トービンの分離定理と 2 基金分離定理

7.1 安全資産を加えた効率的フロンティア = 資本市場線 (CML)

投資可能集合(双曲線)に安全資産($(0, r_f)$ の点)を加えると、効率的フロンティアは一気に姿を変えます。どうなるかというと、$(0, r_f)$ から双曲線に引いた接線になります。

トービンの分離定理
図 2-5 資本市場線 (CML) = 安全資産を含めた効率的フロンティア。接点 T が唯一の最適リスク資産ポートフォリオ

この接線を資本市場線 (Capital Market Line, CML) と呼び、接点 $T$ を接点ポートフォリオ(tangency portfolio)と呼びます。

トービンの分離定理(ジェームズ・トービン、1958 年ノーベル経済学賞) 安全資産があるとき、効率的フロンティア上の任意のポートフォリオは、安全資産と接点ポートフォリオ $T$ の組み合わせで実現できる。

7.2 接点ポートフォリオの計算例

本章の設定($\rho = 0$)で接点ポートフォリオを求めてみましょう。 2 資産 + 安全資産の最適化問題を解くと、 $$w_A^T = \frac{(\mu_A - r_f)\sigma_B^2 - (\mu_B - r_f)\rho\sigma_A\sigma_B}{(\mu_A - r_f)\sigma_B^2 + (\mu_B - r_f)\sigma_A^2 - [(\mu_A - r_f) + (\mu_B - r_f)]\rho\sigma_A\sigma_B}$$ $\rho = 0$ なら分母・分子の第 3 項が消えるので、 $$w_A^T = \frac{(0.10-0.02)\cdot 100}{(0.10-0.02)\cdot 100 + (0.03-0.02)\cdot 400} = \frac{8}{8+4} = \frac{2}{3}$$ よって $w_A^T = 2/3,\ w_B^T = 1/3$、 $$\mu_T = \tfrac{2}{3}\cdot 10 + \tfrac{1}{3}\cdot 3 = \tfrac{23}{3} \approx 7.67\%$$ $$\sigma_T^2 = \tfrac{4}{9}\cdot 400 + \tfrac{1}{9}\cdot 100 = \tfrac{1700}{9}\ \Rightarrow\ \sigma_T \approx 13.74\%$$
このトービンの分離定理、どれくらい凄いかというと「リスク回避度が高い人も低い人も、同じ接点ポートフォリオに投資する」と言っているんです。違いは「安全資産と $T$ の配分比率」だけ。これこそが、後に出てくる CAPM(第 3 章)と、インデックス運用という実務哲学を生み出した発想の源泉です。

7.3 2 基金分離定理(借入 ≠ 貸出金利の場合)

現実の金融市場では、「お金を借りる金利」と「お金を貸す金利」は同じではありません。借入金利 $r_b$ のほうが貸出金利 $r_l$ より高いのが普通です。このケースでは、接点が 2 つできます。

2基金分離定理
図 2-6 借入金利 ≠ 貸出金利のときは、貸出用接点 $T_1$ と借入用接点 $T_2$ の 2 つが登場します
2 基金分離定理 任意の効率的ポートフォリオは、2 つの効率的ポートフォリオの組み合わせで実現できる。

具体的には:

💡 第 2 章 要点まとめ

✍️ 演習(クリックで解答表示)

問 1 資産 X($\mu_X = 8\%, \sigma_X = 25\%$)と資産 Y($\mu_Y = 2\%, \sigma_Y = 15\%$)、相関係数 $\rho = 0.2$。投資比率 $(w_X, w_Y) = (0.7, 0.3)$ のポートフォリオの期待リターンと標準偏差を求めてください。

解答を見る

期待リターン:$\mu_p = 0.7 \cdot 8 + 0.3 \cdot 2 = 5.6 + 0.6 = 6.2\%$

分散: $$\sigma_p^2 = 0.7^2 \cdot 25^2 + 0.3^2 \cdot 15^2 + 2 \cdot 0.7 \cdot 0.3 \cdot 0.2 \cdot 25 \cdot 15$$ $$= 0.49 \cdot 625 + 0.09 \cdot 225 + 2 \cdot 0.042 \cdot 375 = 306.25 + 20.25 + 31.5 = 358$$ 標準偏差:$\sigma_p = \sqrt{358} \approx \mathbf{18.92\%}$

問 2 資産 A($\sigma_A = 15\%$)、資産 B($\sigma_B = 6\%$)、$\rho = 0$ のとき、最小分散ポートフォリオの投資比率 $w_A^{\min}$ と、そのときの標準偏差を求めてください。

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$\rho = 0$ の最小分散公式より: $$w_A^{\min} = \frac{\sigma_B^2}{\sigma_A^2 + \sigma_B^2} = \frac{36}{225 + 36} = \frac{36}{261} \approx 0.138$$ $(w_A, w_B) \approx (0.138, 0.862)$。そのときの分散: $$\sigma_p^2 \approx 0.019 \cdot 225 + 0.743 \cdot 36 = 4.28 + 26.75 = 31.03$$ 標準偏差:$\sigma_p \approx \mathbf{5.57\%}$(資産 B 単独の 6% より低い!)

問 3 株式 X($\mu = 12\%, \sigma = 25\%$)と安全資産($r_f = 3\%$)に投資する。リスク回避度 $\gamma = 6$ の投資家にとっての最適な株式投資比率を求めてください。

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$w^* = \dfrac{1}{\gamma}\cdot\dfrac{\mu - r_f}{\sigma^2} = \dfrac{1}{6}\cdot\dfrac{0.12 - 0.03}{0.25^2} = \dfrac{1}{6}\cdot\dfrac{0.09}{0.0625} = \dfrac{1}{6}\cdot 1.44 = \mathbf{0.24}$

つまり株式に 24%、安全資産に 76% 投資するのが最適。

問 4 資産 A($\mu_A = 8\%, \sigma_A = 16\%$)と資産 B($\mu_B = 4\%, \sigma_B = 8\%$)、$\rho = -1$ のとき、$\sigma_p = 0$ を実現する投資比率と、そのときの期待リターンを求めてください。

解答を見る

$\rho = -1$ でリスクゼロ:$w_A \sigma_A = w_B \sigma_B$ かつ $w_A + w_B = 1$ $$w_A = \frac{\sigma_B}{\sigma_A + \sigma_B} = \frac{8}{16+8} = \frac{1}{3},\quad w_B = \frac{2}{3}$$ 期待リターン:$\mu_p = \tfrac{1}{3}\cdot 8 + \tfrac{2}{3}\cdot 4 = \tfrac{8+8}{3} = \dfrac{16}{3} \approx \mathbf{5.33\%}$

つまり、「リスクゼロで 5.33% のリターン」という理想的なポートフォリオが完成します(現実にはρ=-1の資産組は稀ですが)。

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