投資理論[実務編] ― 第2章

株式投資分析 ― 配当・利益・資本コストで株価をひも解く

株式の本源的価値を 4 つの視点で評価し、運用戦略につなげる。

皆さん、株式投資といえば「明日上がる銘柄を当てる」イメージがあるかもしれませんね。でもアナリストの世界では、株価は企業が将来生み出すキャッシュフローを割り引いた本源的価値と比較しながら評価されます。 本章では、株式の理論価格モデル(DDM / DCF / 残余利益モデル)、資本コストの推計(CAPM)、株式評価尺度(PER・PBR・配当利回り)、そして運用戦略(アクティブ vs パッシブ)を、理論編との橋渡しを意識して体系的に学んでいきます。 KKT 試験でも、配当割引モデルの計算・資本コストの推定・評価尺度の使い分けが定番の出題論点です。

🎯 この章でマスターしておきたいこと

📚 本章の流れ

  1. 株式投資と効率的市場仮説
  2. 配当割引モデル (DDM) ― 将来配当の割引現在価値
  3. ゴードン・モデルと多段階成長モデル
  4. 残余利益モデル (RIM) と DCF 法
  5. 資本コスト (CAPM) と株式評価尺度
  6. アクティブ運用とパッシブ運用
  7. 要点まとめ
  8. 演習

1. 株式投資と効率的市場仮説

1.1 株式と債券はここが違う

前章で学んだ債券と、本章で学ぶ株式の最大の違いは、キャッシュフローの性質です。

株式と債券のキャッシュフロー
図 2-1 (a) 債券は満期があり、クーポン+元本償還で終わる。(b) 株式は満期がなく、配当が成長しながら永久に続く。この「満期なし・成長する」という 2 点が、株式評価の難しさと面白さを生みます。
債券株式
満期あり(償還日)なし(無限期間)
キャッシュフロークーポン(固定額)+元本配当(金額・支払有無とも不確実)
成長原則なし企業成長とともに増える可能性
優先度高い(先取り)低い(残余請求権)
評価の難しさ低(将来 CF が契約で確定)高(配当と割引率の両方が不確実)

1.2 効率的市場仮説(EMH)

株式投資を語るとき、必ず登場する概念が効率的市場仮説(Efficient Market Hypothesis, EMH)です。ユージン・ファーマが 1970 年に体系化し、2013 年ノーベル経済学賞の対象にもなりました。

EMH の 3 つの型
現実の市場では、ウィーク型はほぼ成立、セミストロング型は条件付きで成立、ストロング型は成立しない、というのが 60 年以上の実証研究の結論です。インサイダー取引は実際に利益を生むから違法化されているわけですね。 試験対策としては、「ストロング型は成立しない。セミストロング型は概ね成立するがアノマリーと呼ばれる例外がある」を押さえておけば十分です。

1.3 代表的な市場アノマリー

アノマリー内容
小型株効果時価総額の小さい企業の株式は、CAPM で説明できる以上のリターンを示す傾向
バリュー効果PBR や PER が低い「割安株」の方が、「割高株(グロース)」より長期的に優位
モメンタム効果過去 3〜12 ヶ月間リターンが高かった銘柄は、その後も高リターンを継続しやすい
リバーサル効果3〜5 年単位での長期反転。勝者株が敗者になり、敗者株が勝者になる
カレンダー効果月初・週初・年末などに特定のパターン(1 月効果など)
アノマリーが発見されると、しばしば消えるという厄介な性質があります。研究者や運用者がそれを狙って売買するので、過去に観測された効果が未来も続くかは保証されません。試験では「アノマリーの持続性には慎重な姿勢が必要」という論点も問われます。

2. 配当割引モデル (DDM) ― 将来配当の割引現在価値

では、株式の理論価格はどう求めるのでしょうか。最も基本となるのが配当割引モデル(Dividend Discount Model, DDM)です。

2.1 DDM の基本式

配当割引モデル 株式の理論価格 $P_0$ は、将来のすべての配当を要求収益率 $r$ で割り引いた現在価値の総和: $$P_0 = \sum_{t=1}^{\infty} \frac{D_t}{(1+r)^t} = \frac{D_1}{1+r} + \frac{D_2}{(1+r)^2} + \frac{D_3}{(1+r)^3} + \cdots$$

※ $\sum$(シグマ記号)の使い方は数学の基礎を参照。

この式の解釈はとてもシンプル。「株式を永遠に保有したときに受け取る配当の現在価値=株式の理論価格」。株式は満期がないので、無限和になるのが特徴です。

2.2 「株価売却益はどこ?」という疑問

ここで「でも実際、株は配当目当てじゃなくて値上がり益狙いで買いません?」という声が聞こえてきそうですね。実は、値上がり益は DDM に織り込み済みなんです。

1 年後に売るつもりだとしても、1 年後の売却価格 $P_1$ は、そのときの投資家が「それ以降の配当を割り引いた合計」で判断する。だから $P_1$ 自身が将来配当の PV。
$P_0 = (D_1 + P_1)/(1+r)$ に $P_1 = (D_2 + P_2)/(1+r)$ を代入 → 代入を繰り返すと、売却価格が消え、将来配当だけが残るという巧妙な構造になっています。つまり「値上がり期待」も究極的には配当を織り込んだ結果なんですね。

2.3 無限和の困難

さて、DDM は美しい式ですが実務では困ったことに無限項を足さないといけません。これをどう扱うか。2 つのアプローチがあります:

  1. 一定成長を仮定する(次節のゴードン・モデル)
  2. 有限期間の配当 + ターミナル・バリュー(§3 の多段階モデル)

3. ゴードン・モデルと多段階成長モデル

3.1 ゴードン・モデル(定率成長モデル)

配当が「毎年一定の成長率 $g$ で永久に伸びる」と仮定すると、DDM の無限和がきれいな閉じた形になります。

ゴードン・モデル(試験で出題される) 配当が $D_t = D_1 (1+g)^{t-1}$ と成長するとき、要求収益率を $r$(ただし $r \gt g$)とすると: $$\boxed{\;P_0 = \frac{D_1}{r - g}\;}$$ (等比数列の無限和から導ける。詳細な導出は数学の基礎ページにあります)
条件 $r \gt g$ は必須です。もし永久成長率 $g$ が要求収益率 $r$ 以上なら、株式の理論価格は無限大に発散してしまいます。現実に企業が経済全体の成長率(マクロでは年 2〜3%)を永久に上回ることは不可能なので、通常は $g \leq 3\%$ 程度とします。
ゴードン・モデルのgとP
図 2-2 $D_1=50$ 円、$r=8\%$ を固定して $g$ を動かしたときの株価。$g$ が $r$ に近づくほど急激に発散。たとえば $g$ が 3% から 5% に上昇するだけで、株価は 1000 円から 1667 円へ +67% 跳ねる。

3.2 計算例 ― 配当割引モデル

設定:ある株式の次期配当予想 $D_1 = 50$ 円、配当成長率 $g = 3\%$ で永久に続くと予想。要求収益率 $r = 8\%$。

$$P_0 = \frac{50}{0.08 - 0.03} = \frac{50}{0.05} = \mathbf{1{,}000\ \text{円}}$$ この株式の理論価格は 1,000 円。もし市場価格が 900 円なら「割安」と判断し買いシグナル、1,100 円なら「割高」として売りシグナル、という使い方。

3.3 多段階成長モデル

成長企業の多くは「最初の数年は高成長、その後は安定成長」という 2 段階の姿になります。これを2 段階成長モデルで評価します。

2段階成長モデル
図 2-3 高成長期 ($g_1=15\%$、5 年間) の後、安定期 ($g_2=3\%$、永続) に移行する 2 段階モデル。$D_0=100$ 円から出発すると、5 年後には配当が約 201 円に、その後も 3% ずつ成長。
2 段階成長モデルの理論価格 高成長期 $N$ 年間($g_1$)+安定期($g_2$、永続): $$P_0 = \underbrace{\sum_{t=1}^{N} \frac{D_0 (1+g_1)^t}{(1+r)^t}}_{\text{高成長期配当の PV}} + \underbrace{\frac{\mathrm{TV}_N}{(1+r)^N}}_{\text{ターミナル・バリューの PV}}$$ ターミナル・バリュー(安定期に入った時点での理論株価): $$\mathrm{TV}_N = \frac{D_{N+1}}{r - g_2} = \frac{D_N (1+g_2)}{r - g_2}$$
設定:$D_0 = 100$ 円、高成長期 $g_1 = 15\%$(5 年)、安定期 $g_2 = 3\%$、要求収益率 $r = 10\%$。

ステップ 1:高成長期配当の PV
年 $t$$D_t$(円)$D_t / 1.10^t$(円)
1$100 \times 1.15 = 115.00$$104.55$
2$132.25$$109.30$
3$152.09$$114.27$
4$174.90$$119.46$
5$201.14$$124.89$
合計$572.46$
ステップ 2:ターミナル・バリュー $$D_6 = 201.14 \times 1.03 \approx 207.17$$ $$\mathrm{TV}_5 = \frac{207.17}{0.10 - 0.03} = \frac{207.17}{0.07} \approx 2{,}959.6$$ ステップ 3:TV の PV を加算 $$P_0 = 572.46 + \frac{2{,}959.6}{1.10^5} = 572.46 + \frac{2{,}959.6}{1.6105} \approx 572.46 + 1{,}837.69 \approx \mathbf{2{,}410\ \text{円}}$$
2 段階モデルの結果、株価の約 76%(1,838/2,410)がターミナル・バリューから来ている点に注目。成長企業の評価は、「安定期をどう見積もるか」が圧倒的に重要なんです。

4. 残余利益モデル (RIM) と DCF 法

4.1 DDM の弱点と代替モデル

DDM は美しい理論ですが、実務では弱点があります:

そこで、株主に帰属する「配当可能な利益の源泉」を割り引く別系統のモデルが使われます。代表は以下の 2 つ。

4.2 残余利益モデル (Residual Income Model, RIM)

残余利益モデルの基本式 $$P_0 = \mathrm{BV}_0 + \sum_{t=1}^{\infty} \frac{\mathrm{RI}_t}{(1+r)^t}$$ ここで:
残余利益モデルの本質的メッセージ
ROEとPBR
図 2-4 要求収益率 $r=8\%$、成長なしの単純化ケース。ROE が $r$ を上回れば PBR $\gt$ 1、下回れば $\lt$ 1。実市場でも「ROE を上げないと株価は上がらない」とよく言われるのはこの関係が背景です。

4.3 計算例 ― 残余利益モデル

設定:今期末の自己資本簿価 $\mathrm{BV}_0 = 1{,}000$ 円、予想 ROE $= 12\%$ が永久に続く、要求収益率 $r = 8\%$、成長(再投資)はなしで毎年全額配当と仮定。

毎年の残余利益: $$\mathrm{RI} = (0.12 - 0.08) \times 1{,}000 = 40\ \text{円/年}$$ これが永続するので、永久年金の公式で: $$P_0 = 1{,}000 + \frac{40}{0.08} = 1{,}000 + 500 = \mathbf{1{,}500\ \text{円}}$$ PBR $= 1{,}500 / 1{,}000 = \mathbf{1.5}$。「ROE 12% という超過収益力が、簿価にプレミアム 50% を上乗せしている」と解釈できます。

4.4 DCF 法(フリー・キャッシュフロー割引)

もう一つの主流モデルがDCF 法。企業全体が生み出すフリー・キャッシュフロー (FCF) を加重平均資本コスト (WACC) で割り引いて企業価値を求め、そこから有利子負債を差し引いて株式価値を得る手法です。

DCF 法の枠組み $$\mathrm{EV} = \sum_{t=1}^{N} \frac{\mathrm{FCF}_t}{(1+\mathrm{WACC})^t} + \frac{\mathrm{TV}_N}{(1+\mathrm{WACC})^N}$$ $$\text{株主価値} = \mathrm{EV} - \text{有利子負債} + \text{現金}$$ $$\text{1 株あたり理論株価} = \frac{\text{株主価値}}{\text{発行株式数}}$$
DDM、RIM、DCF ― 3 つのモデルは厳密な仮定のもとでは同じ答えを出します(クリーン・サープラス関係など)。ただ実務では入力データの入手しやすさが違うので、目的に応じて使い分けるのが普通です: 試験で「どのモデルを使うべきか」と問われたら、入力データの特性で選ぶという答えを軸に考えましょう。

5. 資本コスト (CAPM) と株式評価尺度

上のモデルはどれも「割引率 $r$(要求収益率=資本コスト)」を必要とします。これをどう決めるか? 答えは理論編・第 3 章のCAPM です。

5.1 CAPM による資本コストの推定

CAPM(再掲) $$r = r_f + \beta \cdot (\mathrm{MRP})$$
業種別CAPM
図 2-5 $r_f=1\%$、$\mathrm{MRP}=5\%$ を前提に、業種ごとの代表ベータから資本コストを算出。公益(β=0.6)は 4%、ハイテク(β=1.6)は 9% と、業種性格で大きく違う。

5.2 計算例 ― 業種別資本コスト

$r_f = 1\%$、$\mathrm{MRP} = 5\%$ の市場環境下で: 同じキャッシュフロー予想でも、ベータが高い企業ほど厳しい割引率で評価されるため、理論株価は低くなります。

5.3 株式評価尺度(PER・PBR・配当利回り)

DDM や RIM を厳密に計算する代わりに、市場価格と会計指標の比率でざっくり相対評価する指標群。実務では圧倒的によく使われます。

指標定義分解式(ゴードン・モデル由来)
PER
(株価収益率)
$\dfrac{\text{株価}}{\text{1 株当たり利益 (EPS)}}$$\dfrac{1 - \text{内部留保比率}}{r - g}$
PBR
(株価純資産倍率)
$\dfrac{\text{株価}}{\text{1 株当たり純資産 (BPS)}}$$1 + \dfrac{\mathrm{ROE} - r}{r - g}$
配当利回り$\dfrac{\text{1 株当たり配当}}{\text{株価}}$$r - g$
PER・PBR の分母分子の直感 「割安」なのか「ファンダメンタルが悪い」のかは見分けが必要(バリュートラップへの注意)。

6. アクティブ運用とパッシブ運用

6.1 パッシブ運用(インデックス運用)

パッシブ運用は、TOPIX や S&P 500 などの株価指数をそのまま複製することを目指す運用です。理論編・第 3 章で学んだ CAPM の教え「マーケット・ポートフォリオが効率的」を素直に実践した戦略ですね。

パッシブ運用の特徴

6.2 アクティブ運用

アクティブ運用は、ベンチマーク(指数)を上回るリターンを狙う運用です。セミストロング型 EMH を完全には信じない立場に立ちます。

Information Ratio(IR) アクティブ運用の巧拙を測る中心的指標: $$\mathrm{IR} = \frac{\alpha}{\mathrm{TE}} = \frac{\text{年率ベンチマーク超過リターン}}{\text{年率トラッキング・エラー}}$$
アクティブ運用のα分布
図 2-6 パッシブはベンチマーク近辺に集中(TE 小)。アクティブは分散が大きく、優秀と劣後に分かれる。手数料控除後にほぼ半数のアクティブはベンチマークに負けるというのが実証研究の一貫した結果。

6.3 どちらを選ぶべきか ― 実務の判断

多くの実証研究が示すのは「手数料控除後で見ると、パッシブ運用の長期勝率が高い」という結論です。S&P 500 で見ると、10 年以上の期間でベンチマークを上回れたアクティブ運用は 10〜20% に過ぎないというデータもあります。
一方で、市場効率性が低い新興国株や中小型株、あるいは特殊な戦略(統計的裁定、オルタナティブ)ではアクティブの余地が残ります。実務ではコア(パッシブ)+サテライト(一部アクティブ)の混合戦略が一般的です。KKT 試験でも「パッシブとアクティブの選択基準」は論述で問われやすい論点です。

6.4 代表的な投資スタイル

スタイル狙い典型的な指標
バリュー割安株の底値買い低 PER、低 PBR、高配当利回り
グロース高成長企業のプレミアム高 EPS 成長率、高 ROE
モメンタム上昇トレンドに乗る過去 6〜12 ヶ月の高リターン
クオリティ財務健全・安定成長高 ROE、低負債比率、収益安定
低ボラティリティ低リスクでも同等リターン低標準偏差、低 β

💡 第 2 章 要点まとめ

✍️ 演習(クリックで解答表示)

問 1 ある株式の次期予想配当 $D_1 = 30$ 円、配当成長率 $g = 2\%$、要求収益率 $r = 7\%$ のとき、ゴードン・モデルによる理論株価を求めてください。

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$P_0 = \dfrac{D_1}{r - g} = \dfrac{30}{0.07 - 0.02} = \dfrac{30}{0.05} = \mathbf{600\ \text{円}}$

問 2 問 1 の銘柄について、$r$ は 7% のまま、$g$ が 2% から 3% に上昇したとします。理論株価はいくらになり、何% 上昇しますか?

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$P_0' = \dfrac{30}{0.07 - 0.03} = \dfrac{30}{0.04} = \mathbf{750\ \text{円}}$

上昇率:$(750 - 600)/600 = \mathbf{+25\%}$

成長率 1%pt の上昇で株価 +25%。ゴードン・モデルは $r-g$ という分母に敏感で、小さな変化が大きな株価変動を生む。

問 3 ある企業の株式ベータ $\beta = 1.2$、リスクフリー・レート $r_f = 2\%$、マーケット・リスクプレミアム $\mathrm{MRP} = 6\%$。 (a) CAPM による資本コストはいくらか?
(b) この企業の次期予想配当 $D_1 = 100$ 円、配当成長率 $g = 4\%$ のとき、理論株価を求めよ。

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(a) $r = r_f + \beta \times \mathrm{MRP} = 2 + 1.2 \times 6 = \mathbf{9.2\%}$

(b) $P_0 = \dfrac{D_1}{r - g} = \dfrac{100}{0.092 - 0.04} = \dfrac{100}{0.052} \approx \mathbf{1{,}923\ \text{円}}$

問 4 簿価 $\mathrm{BV}_0 = 500$ 円、予想 ROE = 15%、要求収益率 $r = 10\%$、成長はなく毎年全額配当とする。残余利益モデルで理論株価と PBR を求めてください。

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残余利益:$\mathrm{RI} = (0.15 - 0.10) \times 500 = 25$ 円/年

$P_0 = 500 + \dfrac{25}{0.10} = 500 + 250 = \mathbf{750\ \text{円}}$

$\mathrm{PBR} = 750 / 500 = \mathbf{1.5}$

「ROE が要求収益率を 5%pt 上回る超過収益力が、簿価に対して 50% のプレミアムとして評価されている」と解釈。

問 5 2 段階成長モデルで評価する。$D_0 = 20$ 円、高成長期 $g_1 = 10\%$(3 年間)、安定期 $g_2 = 2\%$、要求収益率 $r = 8\%$。理論株価を求めてください。

解答を見る

ステップ 1:高成長期の配当

$D_1 = 20 \times 1.10 = 22$、$D_2 = 24.2$、$D_3 = 26.62$

各年の PV:
$22/1.08 = 20.37$
$24.2/1.08^2 = 24.2/1.1664 = 20.75$
$26.62/1.08^3 = 26.62/1.2597 = 21.13$
合計 = $\mathbf{62.25}$

ステップ 2:ターミナル・バリュー

$D_4 = 26.62 \times 1.02 = 27.15$

$\mathrm{TV}_3 = \dfrac{27.15}{0.08 - 0.02} = \dfrac{27.15}{0.06} = 452.55$

$\mathrm{PV}(\mathrm{TV}) = 452.55 / 1.2597 = 359.25$

ステップ 3:合算

$P_0 = 62.25 + 359.25 = \mathbf{421.50\ \text{円}}$

問 6 あるアクティブ運用ファンドは過去 5 年の年率超過リターン $\alpha = 2.4\%$、トラッキング・エラー $\mathrm{TE} = 4\%$ であった。 (a) Information Ratio は?
(b) このファンドの運用は「優秀」と評価できるか?

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(a) $\mathrm{IR} = \alpha / \mathrm{TE} = 2.4 / 4.0 = \mathbf{0.60}$

(b) IR 0.60 は「優秀」の基準(0.5 以上)を満たす。ただし 5 年では統計的有意性が不十分との指摘もあり、通常は10 年以上のトラックレコードで判断。また、手数料控除後の $\alpha$ で評価することが重要。

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