投資理論[実務編] ― 第1章

債券投資分析 ― 利回りとデュレーションの世界

将来のキャッシュフローを割り引く。この 1 つの原則から、債券の値段・利回り・金利感応度がすべて導かれます。

実務編の旅が始まります!前巻・理論編では「なぜ証券価格が決まるか」という普遍的な原理を学びました。実務編の第 1 章では、その原理を「現実の債券市場」に落とし込んでいきます。 債券は、国や企業が資金を借り入れるために発行する借用証書のようなもの。将来の利払いと元本償還という決まったキャッシュフローを持つため、数学的に最もクリーンに扱える金融商品です。 アクチュアリー試験 KKT でも、最終利回りの計算・デュレーション・スポット=フォワード金利・信用スプレッド・イミュニゼーションが毎年のように出題されます。

🎯 この章でマスターしておきたいこと

📚 本章の流れ

  1. 債券の基本 ― キャッシュフローと割引現在価値
  2. 最終利回り (YTM) と債券価格の関係
  3. デュレーションとコンベクシティ ― 金利感応度
  4. 金利の期間構造 ― スポット・レートとフォワード・レート
  5. 信用リスクと社債評価
  6. イミュニゼーション戦略
  7. 要点まとめ
  8. 演習

1. 債券の基本 ― キャッシュフローと割引現在価値

1.1 債券って、そもそも何でしょう?

皆さん、「国債」や「社債」という言葉は聞いたことがありますよね。これらは総称して債券(bond)と呼ばれる金融商品で、発行体(国や企業)が投資家からお金を借りるときに発行する借用証書です。

お金を貸すわけですから、投資家は見返りとして:

というキャッシュフローを得ます。株式と違って「将来いくらの配当が出るか分からない」ではなく、発行時点で将来キャッシュフローが契約上決まっているのが最大の特徴です。

1.2 債券の種類

種類説明
固定利付債クーポンが発行時に固定。最も基本的な形10 年利付国債、社債の大半
ゼロクーポン債(ZCB)クーポンなし。満期に額面を受け取るだけ割引国債、STRIPS 債
変動利付債クーポンが市場金利に連動して変動FRN、15 年変動金利国債
オプション内包型債券コーラブル(繰上償還)・プッタブル(途中売戻し)などコーラブル債、転換社債(CB)
インフレ連動債元本・クーポンが消費者物価指数に連動物価連動国債(JGBi)
本章では主に固定利付債とゼロクーポン債を扱います。これらが「債券の数学」の基本形で、これを押さえれば変動金利債やインフレ連動債といった派生商品も「固定利付債の応用」として理解できます。KKT 試験もほぼ固定利付債の計算問題ですから、まずここをしっかりいきましょう。

1.3 キャッシュフローと債券価格

具体例でいきましょう。額面 100 円、クーポン年 2%、残存 3 年の固定利付債があるとします。これは、次のような毎年のキャッシュフローを約束する契約です:

3年利付債のキャッシュフロー
図 1-1 額面 100・クーポン 2%・残存 3 年の利付債。1・2 年目は 2 円のクーポン、3 年目は 2 円+元本 100 円 = 102 円。市場価格 95 円で購入すると、−95 円の支払が発生します。

この債券を、投資家が市場で 95 円で購入したとしましょう。すると投資家のキャッシュフローは次のとおり:

1.4 債券価格の基本式 ― 割引現在価値

ここで登場するのが理論編で繰り返し出てきた割引現在価値(Present Value, PV)の考え方です。将来のキャッシュフローを、割引率で現在価値に引き直して合計したものが、そのキャッシュフローの「今日の価値」でしたね。

債券価格の基本式 毎期のクーポン $C$、額面 $F$、割引率(最終利回り)$y$、満期 $T$ の利付債の価格: $$P = \sum_{t=1}^{T} \frac{C}{(1+y)^t} + \frac{F}{(1+y)^T}$$

※ $\displaystyle\sum_{t=1}^{T}$ は「$t=1$ から $T$ までの和をとる」記号です。初めて見る方はシグマ記号の意味と使い方をどうぞ。

この式はたった 1 行ですが、本章のほぼすべての計算がここから派生します。「債券評価=割引計算」、この 1 点を頭に刻んでおけば大丈夫。次節では、価格 $P$ が分かっているときに逆算で $y$ を求める話(=最終利回りの計算)に進みます。

2. 最終利回り (YTM) と債券価格の関係

2.1 最終利回り (Yield to Maturity) とは

前節の基本式で、実務で最もよく使われる割引率 $y$ を最終利回り(Yield to Maturity, YTM)と呼びます。これは、今日の市場価格でこの債券を買って、満期まで持ち続けたときに実現する年換算の投資収益率です。

YTM の定義(暗黙の方程式) 市場価格 $P$ が観測されているとき、次の方程式を満たす $y$ が YTM: $$P = \sum_{t=1}^{T} \frac{C}{(1+y)^t} + \frac{F}{(1+y)^T}$$
YTM は $y$ についての $T$ 次方程式なので、$T \geq 3$ では一般に閉じた解の公式がありません。実務ではニュートン法などで数値的に解くか、試行錯誤で補間します。試験でも計算ツールなしで解ける範囲で出ます(多くは 2 年債か、YTM の候補が与えられる形)。

2.2 パー債・プレミアム債・ディスカウント債

YTM と市場価格には、分かりやすい関係があります。

YTMと債券価格
図 1-2 額面 100・クーポン 3%・残存 5 年の利付債。YTM が上がるほど価格は下がる(逆相関)。YTM がクーポン率と一致する点で価格 = 額面(パー)。
状況呼び方
YTM $\lt$ クーポン率プレミアム債YTM 1% なら価格 ≈ 109.7 円
YTM $=$ クーポン率パー債YTM 3% なら価格 = 100 円ちょうど
YTM $\gt$ クーポン率ディスカウント債YTM 5% なら価格 ≈ 91.3 円
この対応、覚えるのは難しくないですよね。「市場金利がクーポンより高い=他でもっと稼げるから、この債券は割引売りされる」と直感的に理解できます。逆に市場金利が低いときは、高クーポンのこの債券は魅力的なので、額面超えで売買されます。KKT でも「プレミアム債とはどのような債券か」という用語問題がたまに出ますから、即答できるようにしておきましょう。

2.3 計算例 ― 3 年利付債の YTM

設定:額面 100 円、クーポン 2%、残存 3 年、市場価格 $P = 95$ 円。YTM $y$ を求めてみましょう。

方程式: $$95 = \frac{2}{(1+y)} + \frac{2}{(1+y)^2} + \frac{102}{(1+y)^3}$$ 試行錯誤で近似解を探します: よって YTM $\approx 3.75\%$
(クーポン率 2% $\lt$ YTM 3.75% なので、価格 95 $\lt$ 額面 100 のディスカウント債、という関係も整合)

2.4 年 $m$ 回複利への拡張

実務では年 2 回のクーポン支払いが一般的なので、割引も半年複利で行います。年換算 YTM を $y$、年間複利回数を $m$ とすると:

$m$ 回複利版 $$P = \sum_{k=1}^{mT} \frac{C/m}{(1+y/m)^k} + \frac{F}{(1+y/m)^{mT}}$$

3. デュレーションとコンベクシティ ― 金利感応度

債券投資で最も大切なリスク指標がデュレーションとコンベクシティです。「金利が 1% 動いたら、債券価格は何% 動くか?」を予測するツールですね。

3.1 マコーレー・デュレーション

デュレーションには 2 種類あるので最初に区別しましょう。

マコーレー・デュレーション $D$ 各期のキャッシュフローの現在価値を重みとして、期間 $t$ を加重平均したもの: $$D = \sum_{t=1}^{T} t \cdot \frac{C_t / (1+y)^t}{P}$$ ここで $C_t$ は $t$ 期のキャッシュフロー(利息または利息+元本)、$P$ は債券価格。

直感的には「債券のキャッシュフローの重心(平均回収期間)」です。ゼロクーポン債なら、キャッシュフローは満期に 1 回だけなので $D=T$(満期と一致)。利付債は途中で利息が入ってくるぶん $D \lt T$。

3.2 修正デュレーション

修正デュレーション $D_{\text{mod}}$ $$D_{\text{mod}} = \frac{D}{1+y}$$ これが、偏微分的に表現した「金利感応度」: $$\boxed{\;\frac{\Delta P}{P} \approx -D_{\text{mod}} \cdot \Delta y\;}$$
利回りが 0.5% 上昇すると、修正デュレーション 8 の債券は約 4% 値下がりする」という形で使えます。符号がマイナスなのは、金利上昇=価格下落の逆相関を表現。

3.3 コンベクシティ ― 2 次の補正

修正デュレーションの式は1 次近似(テイラー展開の 1 次項)でした。金利変動が大きくなると 1 次近似では誤差が出るので、2 次補正を加えます。

コンベクシティ $C$ $$C = \frac{1}{P} \cdot \frac{\partial^2 P}{\partial y^2} = \frac{1}{P}\sum_{t=1}^{T} \frac{t(t+1)\,C_t}{(1+y)^{t+2}}$$ 2 次まで含めた価格変化の近似: $$\boxed{\;\frac{\Delta P}{P} \approx -D_{\text{mod}}\,\Delta y + \tfrac{1}{2} C \,(\Delta y)^2\;}$$
デュレーションとコンベクシティの比較
図 1-3 10 年・クーポン 3% 利付債(起点 YTM 3%)。紫の厳密価格を、オレンジの 1 次近似(デュレーションだけ)と緑の 2 次近似(コンベクシティ込み)で近似。金利変動が大きい領域で、2 次近似が一気に精度を上げます。
コンベクシティがであることが大切です。これは「金利がどちら方向に動いても、1 次近似よりは債券ホルダーに有利になる」ことを意味します(上下対称の曲線より、上が凸の曲線の方が絶対値ベースで儲かる方が大きい)。
実務でも、パッシブに買って持つ投資家にとってはコンベクシティは味方。だから同じデュレーションなら、コンベクシティが大きい債券のほうが少し高く(利回りは低く)売買されます。

3.4 デュレーションの性質(試験で出題される)

計算例 額面 100 円、クーポン 5%、残存 3 年、YTM 4% の利付債。 まず価格を計算: $$P = \frac{5}{1.04} + \frac{5}{1.04^2} + \frac{105}{1.04^3} \approx 4.808 + 4.623 + 93.345 \approx 102.78$$ マコーレー・デュレーション: $$D = \frac{1 \cdot \frac{5}{1.04} + 2 \cdot \frac{5}{1.04^2} + 3 \cdot \frac{105}{1.04^3}}{102.78} = \frac{4.808 + 9.246 + 280.036}{102.78} \approx \mathbf{2.86\ \text{年}}$$ 修正デュレーション: $$D_{\text{mod}} = \frac{2.86}{1.04} \approx \mathbf{2.75}$$ 予測:YTM が 4% → 4.5% に 0.5% 上昇したとき、価格は約 $-D_{\text{mod}} \times 0.005 = -2.75 \times 0.005 = -1.375\%$、つまり $102.78 \times 0.98625 \approx 101.37$ 円まで下落する見込み。

4. 金利の期間構造 ― スポット・レートとフォワード・レート

これまでの話は「1 つの YTM」で割り引いていました。でも現実の金利は満期によって違います。1 年金利と 10 年金利は同じではないですよね。それを体系化するのが金利の期間構造(Term Structure)です。

4.1 スポット・レート(ゼロクーポン金利)

スポット・レート $s_n$ 「今日発行された $n$ 年物ゼロクーポン債(満期 $n$ 年に 1 円支払い)の年複利利回り」。 $n$ 年 ZCB の価格が $B_n$ のとき: $$s_n = \biggl(\frac{1}{B_n}\biggr)^{1/n} - 1$$

4.2 フォワード・レート

1 年フォワード・レート $f_n$ 「$n-1$ 年後から $n$ 年後までの 1 年間に適用される金利(今日時点で市場に織り込まれた値)」。 スポット・レートとの関係: $$(1+s_n)^n = (1+s_{n-1})^{n-1} \cdot (1+f_n)$$ $$\Rightarrow\quad f_n = \frac{(1+s_n)^n}{(1+s_{n-1})^{n-1}} - 1$$ ただし $f_1 = s_1$。
スポットとフォワード
図 1-4 順イールド(右肩上がり)のスポット・カーブから算出される 1 年フォワード。スポットは「累積平均金利」、フォワードは「1 年ごとの限界金利」のイメージです。

4.3 計算例 ― ブートストラッピング

市場で次の 2 つのゼロクーポン債価格が観測された:
スポット・レート: $$s_1 = \frac{100}{99.01} - 1 \approx \mathbf{1.00\%}$$ $$s_2 = \sqrt{\frac{100}{96.47}} - 1 \approx \sqrt{1.0366} - 1 \approx \mathbf{1.81\%}$$ 1→2 年のフォワード・レート: $$f_2 = \frac{(1+s_2)^2}{(1+s_1)} - 1 = \frac{1.0366}{1.01} - 1 \approx \mathbf{2.63\%}$$

4.4 期間構造の理論

理論フォワード・レートの解釈
純粋期待仮説フォワード・レート=将来の 1 年スポット・レートの予想値
流動性プレミアム仮説フォワード = 予想スポット + 期間が長いほど上乗せされるプレミアム
市場分断仮説各満期市場は独立。需給が期間構造を決める
選好生息地仮説投資家は特定の満期帯を好むが、プレミアム次第で乗り換える
KKT 試験では純粋期待仮説流動性プレミアム仮説の 2 つが出題されます。「順イールドが常に将来の金利上昇を意味するわけではない(流動性プレミアム仮説に従えば、フラットな予想でも順イールドは生じる)」という論点は、語句問題で狙われがちなので要チェック。

5. 信用リスクと社債評価

国債は「満期に確実に元本と利息が返ってくる」という前提(=リスクフリー)でしたが、社債は企業が倒産すれば元本が全額戻らない可能性があります。これが信用リスク(credit risk、デフォルト・リスク)です。

5.1 格付けと信用スプレッド

信用リスクは格付け会社(S&P、Moody's、日本では R&I・JCR など)が評価します。格付けが低いほど、同じ満期でも高い利回りを投資家が要求します。その国債利回りとの差がクレジット・スプレッド(信用スプレッド)です。

格付け別の利回り曲線
図 1-5 国債を基準線として、格付けが下がるほど上方にカーブがシフト。BB 格(投機的等級)の 10 年債は国債に対して約 4.3% のスプレッドが上乗せされています。

5.2 スプレッドとデフォルト確率の関係

信用スプレッド $s$ は、リスク中立デフォルト確率 $\lambda$回収率 $R$(倒産時に回収できる割合)と、おおよそ次の関係があります。

簡易な近似式(1 期間) $$s \approx \lambda \,(1 - R)$$
たとえば 10 年スプレッドが $s = 3\%$、回収率 $R = 40\%$ と仮定すると: $$\lambda \approx \frac{0.03}{1 - 0.40} = \frac{0.03}{0.6} = \mathbf{5\%/年}$$ 「毎年 5% の確率で倒産する」と市場が織り込んでいる、という解釈になります(リスク中立確率なので実際の倒産確率とは違う点に注意)。
ここで出てきた「リスク中立デフォルト確率」は、理論編・第 5 章で学んだリスク中立確率と地続きの概念です。「リスクプレミアムは確率の重み変えに吸収される」という第 5 章の発想が、そのまま信用リスク評価に繋がるわけですね。現代ファイナンスの統一感、感じてもらえるでしょうか。

5.3 社債評価のフロー

  1. 対応する満期の国債利回り(リスクフリー・カーブ)を取得
  2. 格付け・発行体固有のクレジット・スプレッドを加算
  3. 合計を割引率として、社債キャッシュフローを割引
格付けは将来のデフォルト確率を完璧に予測できる指標ではありません。2008 年リーマンショックでは、AAA 格付だったサブプライム関連証券の多くが紙クズ同然になりました。試験でも「格付けの限界」は問題の定番論点です。

6. イミュニゼーション戦略

最後に、債券ポートフォリオ運用の基本戦略、イミュニゼーション(immunization、免疫化)を学びましょう。保険会社や年金基金が必ずお世話になる手法です。

6.1 なぜ免疫化するのか

生命保険会社や年金基金は、将来の給付金(=負債)を時期と金額が決まった形で抱えています。たとえば「5 年後に確実に 100 億円支払う必要がある」と。 この負債の現在価値は金利が動くと変動します(金利上昇 → 現在価値下落)。 同時に、手元の債券ポートフォリオ(=資産)の現在価値も金利変動で動きます。

イミュニゼーションの狙い:金利がどう動いても、資産の価値変動=負債の価値変動となるポートフォリオを組み、運用差損を封じ込める。「金利リスクに対して免疫を持った」状態にする。

6.2 デュレーション・マッチング

具体的には、「資産の修正デュレーション=負債の修正デュレーション」となるように資産側を組みます。金利が微小に動いたときの価値変動を、1 次近似で揃えるわけですね。

イミュニゼーション
図 1-6 5 年後に 100 円支払うキャッシュアウト負債(赤実線)に対し、5 年 ZCB(デュレーション一致、緑破線)を持つと金利変動に対する価値が負債と完全に連動。3 年 ZCB(デュレーション不一致、オレンジ点線)では金利が動くと乖離(運用差損益)が発生。

6.3 リバランスが必要な理由

デュレーションは時間の経過とともに変化します。1 年経てば、5 年債のデュレーションは必ずしも 5 年から 4 年になっているわけではなく、金利変動を受けて複雑に変わります。 したがってイミュニゼーションは「一度組んで終わり」ではなく、定期的にリバランス(ポートフォリオの入れ替え)が必須です。KKT でも「イミュニゼーションで放置は NG、なぜか?」という問いが出ます。
現実の生保のポートフォリオ運用では、デュレーション・マッチだけではなくコンベクシティ・マッチ(2 次近似の整合)やキャッシュフロー・マッチ(年ごとの入出金まで揃える)など、より精密な手法も使われます。厳密なキャッシュフロー・マッチが最も安全ですが、自由度が低い。デュレーション・マッチは柔軟だがリバランスが必要。このトレードオフも試験論点です。

💡 第 1 章 要点まとめ

✍️ 演習(クリックで解答表示)

問 1 額面 100 円、クーポン年 4%、残存 2 年、市場価格 $P=98$ 円の固定利付債の YTM を求めてください。

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$98 = \dfrac{4}{1+y} + \dfrac{104}{(1+y)^2}$。変数変換 $x = 1/(1+y)$ として:
$98 = 4x + 104x^2$ → $104x^2 + 4x - 98 = 0$
$x = \dfrac{-4 + \sqrt{16 + 4 \cdot 104 \cdot 98}}{2 \cdot 104} = \dfrac{-4 + \sqrt{40784}}{208} = \dfrac{-4 + 201.95}{208} \approx 0.9517$

$1+y = 1/0.9517 \approx 1.0508$、YTM $\approx 5.08\%$

問 2 3 年ゼロクーポン債、額面 100 円、YTM 3% の場合の価格とマコーレー・デュレーション、修正デュレーションを求めてください。

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価格:$P = 100/1.03^3 = 100/1.092727 \approx \mathbf{91.51\ \text{円}}$

ゼロクーポン債なのでマコーレー・デュレーション $D = \mathbf{3\ \text{年}}$

修正デュレーション $D_{\text{mod}} = 3/1.03 \approx \mathbf{2.91}$

問 3 修正デュレーション 7.5、コンベクシティ 90 の債券ポートフォリオがある。金利が一気に 1% 上昇したとき、価格変動率を 1 次近似と 2 次近似で求めてください。

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1 次近似:$\Delta P/P \approx -D_{\text{mod}} \Delta y = -7.5 \times 0.01 = \mathbf{-7.50\%}$

2 次近似(コンベクシティ込み): $\Delta P/P \approx -7.5 \times 0.01 + 0.5 \times 90 \times 0.01^2 = -0.075 + 0.0045 = \mathbf{-7.05\%}$

コンベクシティの効果で、1 次近似より下落幅が 0.45%pt 小さく推定される。

問 4 1 年 ZCB の市場価格 99.50 円、2 年 ZCB の市場価格 97.57 円、3 年 ZCB の市場価格 94.79 円(いずれも額面 100 円)。 (a) $s_1, s_2, s_3$(スポット・レート) (b) $f_2, f_3$(1 年フォワード・レート) を求めてください。

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(a) スポット・レート

$s_1 = 100/99.50 - 1 = 0.00503 \approx \mathbf{0.50\%}$

$s_2 = \sqrt{100/97.57} - 1 = \sqrt{1.02491} - 1 \approx \mathbf{1.24\%}$

$s_3 = (100/94.79)^{1/3} - 1 = 1.05499^{1/3} - 1 \approx \mathbf{1.80\%}$

(b) フォワード・レート

$f_2 = (1.0124)^2 / (1.0050) - 1 \approx 1.02496/1.0050 - 1 \approx \mathbf{1.99\%}$

$f_3 = (1.0180)^3 / (1.0124)^2 - 1 \approx 1.05499/1.02496 - 1 \approx \mathbf{2.93\%}$

問 5 5 年社債のスプレッドが 2.4%、回収率 $R = 60\%$ と見積もられるとき、リスク中立デフォルト確率 $\lambda$(年率)を簡易式で推定してください。またこのスプレッドが「純粋な信用プレミアム」だけを表すとすると、投資家がこの社債に投資する場合の年率期待リターンは、国債と比べていくら上乗せされているでしょうか?

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簡易式 $s \approx \lambda(1-R)$ より: $$\lambda \approx \frac{0.024}{1 - 0.60} = \frac{0.024}{0.40} = \mathbf{6.0\%/\text{年}}$$

「期待デフォルト損失」=$\lambda \times (1-R) = 0.06 \times 0.40 = 2.4\%/\text{年}$。

したがってスプレッド全額 2.4% が期待デフォルト損失を補填する分であり、純粋な信用プレミアムの上乗せは理論上ゼロ(簡易式ではリスク回避による上乗せを織り込んでいないため)。実市場ではさらにリスクプレミアムが上乗せされることが多く、観測スプレッドは期待デフォルト損失より大きいのが一般的。

問 6 ある年金基金は 5 年後に 100 億円の給付債務を抱えている。現時点の YTM はあらゆる満期で一律 3% とする。利用可能な投資手段は「3 年 ZCB」と「10 年 ZCB」の 2 種類のみ。イミュニゼーション(デュレーション・マッチ)を実現するには、それぞれ何%ずつ資金を配分すべきでしょうか?

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負債の修正デュレーション:$D_L = 5/1.03 \approx 4.854$(5 年 ZCB 相当)

3 年 ZCB の修正 $D_A = 3/1.03 \approx 2.913$、10 年 ZCB の修正 $D_B = 10/1.03 \approx 9.709$。

3 年 ZCB の配分を $w$、10 年 ZCB を $1-w$ として: $$w \cdot 2.913 + (1-w) \cdot 9.709 = 4.854$$ $$9.709 - 6.796 w = 4.854 \Rightarrow w = \frac{9.709 - 4.854}{6.796} \approx \mathbf{0.714}$$

3 年 ZCB に 71.4%、10 年 ZCB に 28.6%を配分。ただし時間経過とともにデュレーションが変わるため、定期的なリバランスが必要。

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