ゼロからわかる簿記 ― 第4章

商品売買 ― 三分法と掛け取引

会社でいちばん出番の多い「仕入れて売る」取引を、三分法という土台からマスター。掛け取引・クレジット・返品・諸掛・内金まで、お店の場面を一つずつ仕訳にしていきます。

第3章までで、取引を仕訳し、帳簿に記録し、試算表で確かめる ―― 簿記の「一巡」を体験してきました。ここからは、会社が毎日くり返しているもっとも身近な取引に踏みこんでいきます。それが商品売買(しょうひんばいばい)、つまり「モノを仕入れて、売る」という活動です。 八百屋さんも、洋服店も、ネットショップも、やっていることの中心はこれ。だからこそ、簿記でも商品売買の記録はいちばん出番の多い基本動作になります。 この章では、まず商品売買を記録する定番のやり方「三分法(さんぶんぽう)」を身につけます。そのうえで、代金をその場で払わない掛け取引(かけとりひき)、クレジットカード払い、返品、送料の負担、内金のやりとり、商品券での受け取りまで ―― 日常のお店で実際に起こる場面を、ひとつずつ仕訳にしていきましょう。数は多めですが、どれも「三分法という土台」の上の応用です。あせらず、手を動かしながら進めていきましょうね。

🎯 この章でマスターしておきたいこと

📚 本章の流れ

  1. 商品売買の記録法「三分法」
  2. 掛け取引 ―― 売掛金と買掛金
  3. クレジット売掛金と支払手数料
  4. 返品 ―― 仕入戻しと売上戻り
  5. 諸掛 ―― 送料・運賃はどこに計上する?
  6. 前払金・前受金と受取商品券
  7. 要点まとめ

1. 商品売買の記録法「三分法」

会社が商品を「仕入れて、売る」とき、その動きをどう記録するか。実は簿記にはいくつかのやり方がありますが、日商簿記3級で学ぶ ―― そして実務でもいちばんよく使われる ―― のが三分法(さんぶんぽう)です。名前のとおり、商品まわりの記録を3つの勘定科目に分けて行う方法です。

1.1 三分法で使う3つの勘定

三分法では、次の3つの勘定を使い分けます。それぞれが5要素のどこに入るかも、あわせて押さえておきましょう。

三分法で使う3つの勘定(仕入・売上・繰越商品)と5要素の一覧表
図 4-1 三分法の3勘定。仕入は費用、売上は収益、繰越商品は資産です。日々の取引で使うのは、ほとんどが「仕入」と「売上」の2つです。

1.2 まずは基本の仕訳を書いてみよう

いちばんシンプルな、現金で仕入れて現金で売る取引を見てみましょう。第2章で学んだホームポジションを思い出しながら読んでくださいね。仕入(費用)が増えたら借方(左)、売上(収益)が増えたら貸方(右)です。

三分法の基本仕訳(借方 仕入/貸方 現金、借方 現金/貸方 売上)
図 4-3 三分法の基本仕訳。①仕入れると「仕入(費用)」が左に、②売れると「売上(収益)」が右に立ちます。売上は売価で記録するので、①の200,000円と②の300,000円が違っていてかまいません。

Q. 次の2つの取引を、三分法で仕訳してください。
(1) 商品200,000円を仕入れ、代金は現金で支払った。
(2) 原価200,000円の商品を、300,000円で売り上げ、代金は現金で受け取った。

A.

(1)(借)仕入 200,000 /(貸)現金 200,000
仕入(費用)が増えたので借方、現金(資産)が減ったので貸方です。

(2)(借)現金 300,000 /(貸)売上 300,000
現金(資産)が増えたので借方、売上(収益)が増えたので貸方です。売るときは売価の300,000円で記録し、原価の200,000円は仕訳に出てきません。差額の100,000円が「もうけ」になりますが、その計算は決算でまとめて行います。

1.3 「繰越商品」は決算まで登場しない

ここで、多くの初心者がつまずくポイントを先に整理しておきます。三分法では、商品を仕入れたら「仕入」、売ったら「売上」と記録するだけ。日々の取引で「繰越商品」を使うことはありません。「繰越商品」が顔を出すのは、1年の終わりの決算で「売れ残った在庫がいくらあるか」を確定させるときだけです。

「仕入れたのに費用にしてしまって、売れ残った分はどうなるの?」―― するどい疑問ですね。実は決算のときに、売れ残った在庫の分を「仕入(費用)」から「繰越商品(資産)」へ振り替えて、その年に本当に使った分だけを費用として残す調整をします。これを売上原価(うりあげげんか)の算定といい、本コースでは第11章でじっくり扱います。今の段階では「日々は仕入・売上の2つだけ。繰越商品は決算までお休み」と覚えておけば十分です。ここで深入りしないのが、遠回りに見えていちばんの近道ですよ。

2. 掛け取引 ―― 売掛金と買掛金

お店どうしの取引では、その場で現金をやりとりせず、「代金は後日まとめて」とすることがほとんどです。商品は先に受け渡し、代金はあとで払う ―― この「ツケ」での取引を、簿記では掛け取引(かけとりひき)と呼びます。

掛け取引の流れ図。商品が先に動き、代金はあとで動く。その差が売掛金・買掛金になる
図 4-2 掛け取引の流れ。商品が先に動き、代金はあとから動きます。その時間差を記録するのが、売った側の売掛金(資産)と、買った側の買掛金(負債)です。

2.1 買った側は「買掛金」、売った側は「売掛金」

掛け取引では、立場によって使う勘定が変わります。

そして後日、代金を実際に支払えば買掛金が消え、受け取れば売掛金が消えます。仕訳で並べて見てみましょう。

掛け取引の仕訳。仕入時・支払時・売上時・回収時の4つの仕訳
図 4-4 掛け取引の一連の仕訳。買掛金は「仕入時に発生 → 支払時に消える」、売掛金は「売上時に発生 → 回収時に消える」という往復になります。

Q. 次の取引を仕訳してください。
(1) 商品200,000円を仕入れ、代金は掛けとした。
(2) 上記の買掛金200,000円を、後日現金で支払った。
(3) 商品を300,000円で売り上げ、代金は掛けとした。
(4) 上記の売掛金300,000円を、後日現金で回収した。

A.

(1)(借)仕入 200,000 /(貸)買掛金 200,000
(2)(借)買掛金 200,000 /(貸)現金 200,000
(3)(借)売掛金 300,000 /(貸)売上 300,000
(4)(借)現金 300,000 /(貸)売掛金 300,000

ポイントは、(1)で右に立てた買掛金を、(2)では左に置いて消すこと。同じように(3)で左に立てた売掛金を、(4)では右に置いて消します。負債・資産が「発生 → 消滅」する往復の動きに慣れましょう。

「売掛金」と「買掛金」は名前が似ていて、はじめは混乱しがちです。区別のコツは最初の一文字。「売」掛金は売ったときにできる受け取る権利(資産)、「買」掛金は買ったときにできる払う義務(負債)。「売って(お金が)来る=売掛金」「買って(お金を)払う=買掛金」と、動作とセットで覚えるとしっかり定着しますよ。会計の教科書でも、この2つは営業債権・営業債務として当たり前に登場します。

3. クレジット売掛金と支払手数料

お店でクレジットカード払いをしたことがありますよね。あのとき、お店(=当社)は代金をその場で受け取るわけではありません。後日、カード会社から手数料を差し引かれた残りが振り込まれます。この「カード会社から後日受け取る権利」をクレジット売掛金という資産の勘定で記録します。

3.1 手数料は「支払手数料」で処理する

ふつうの売掛金と違うのは、カード会社に支払う手数料が発生する点です。この手数料は支払手数料(しはらいてすうりょう)という費用で処理します。売上は手数料を引く前の売価(満額)で記録し、手元に入る予定の金額(クレジット売掛金)は手数料を引いた後の金額になります。

クレジット売掛金の仕訳。販売時に支払手数料を計上し、入金時にクレジット売掛金を消す
図 4-5 クレジット売掛金の仕訳。売上は100,000円(満額)、手数料4,000円は支払手数料へ。差引96,000円がクレジット売掛金として残り、後日その金額が入金されます。

Q. 商品100,000円をクレジットカード払いで販売した。カード会社への手数料は売上代金の4%である。後日、手数料を差し引いた残額が当座預金口座に入金された。それぞれ仕訳してください。

A. まず手数料を計算します。100,000 × 4% = 4,000円。手元に入る予定額は 100,000 − 4,000 = 96,000円です。

販売時:(借)クレジット売掛金 96,000/支払手数料 4,000 /(貸)売上 100,000
入金時:(借)当座預金 96,000 /(貸)クレジット売掛金 96,000

借方の合計(96,000+4,000=100,000)と貸方(100,000)がぴったり一致していますね。売上は満額、手数料は費用、残りが債権という3点セットで押さえましょう。

4. 返品 ―― 仕入戻しと売上戻り

「頼んだ商品と色が違った」「品質に問題があった」―― そんなとき、商品を送り返す返品(へんぴん)が起こります。返品は、いったん成立した取引の一部を取り消すことなので、仕訳ではもとの仕訳を逆さまに書く(反対仕訳)のが基本の考え方です。

4.1 仕入戻しと売上戻り

返品の仕訳。仕入戻しは買掛金を減らし仕入を取り消す、売上戻りは売上を取り消し売掛金を減らす
図 4-6 返品の仕訳。掛けで仕入れた商品を返せば「(借)買掛金/(貸)仕入」、掛けで売った商品が返ってくれば「(借)売上/(貸)売掛金」。もとの仕訳の借方・貸方が入れ替わっているのが分かります。

Q. 次の取引を仕訳してください。
(1) さきに掛けで仕入れた商品のうち、20,000円分を品違いのため返品した。
(2) さきに掛けで売り上げた商品のうち、30,000円分が得意先から返品されてきた。

A.

(1)(借)買掛金 20,000 /(貸)仕入 20,000
仕入れをなかったことにするので、もとの「(借)仕入/(貸)買掛金」を逆に書きます。返した分だけ買掛金(払う義務)も減ります。

(2)(借)売上 30,000 /(貸)売掛金 30,000
売上をなかったことにするので、もとの「(借)売掛金/(貸)売上」を逆に書きます。返された分だけ売掛金(受け取る権利)も減ります。

5. 諸掛 ―― 送料・運賃はどこに計上する?

商品を仕入れたり売ったりするとき、商品そのものの代金とは別に送料・運賃・保険料などがかかります。これらをまとめて諸掛(しょがかり)と呼びます。諸掛は「仕入れるときにかかったのか、売るときにかかったのか」で処理が変わるので、ここを整理しておきましょう。

諸掛の処理一覧表。仕入時の引取運賃は仕入原価に含め、売上時に当社が支払った発送費は費用で処理する
図 4-7 諸掛の処理。仕入のときの引取運賃は仕入原価に含めるのがポイント。売るときに当社が支払った送料は「発送費」という費用で処理します。

5.1 仕入のときの諸掛は「仕入原価」に含める

商品を仕入れるときにかかった引取運賃(ひきとりうんちん)などの諸掛は、商品を手元に届けるためにかかった費用ですから、商品の原価の一部とみなして「仕入」に含めて記録します。運賃を別勘定にはせず、仕入の金額をふくらませるイメージです。

Q. 商品200,000円を掛けで仕入れ、引取運賃5,000円を現金で支払った。仕訳してください。

A.(借)仕入 205,000 /(貸)買掛金 200,000/現金 5,000

引取運賃5,000円を仕入に含めるので、借方の仕入は 200,000 + 5,000 = 205,000円。貸方は「商品代金は掛け(買掛金200,000)」「運賃は現金払い(現金5,000)」に分かれます。借方205,000=貸方(200,000+5,000)で一致していますね。

5.2 売るときに当社が支払う諸掛は「発送費」

いっぽう、商品を売るときにかかる送料などを当社(売り手)が支払ったときは、発送費(はっそうひ)という費用の勘定で処理します。こちらは売上に含めず、独立した費用として記録するのがポイントです。

Q. 商品300,000円を掛けで売り上げ、当社負担の発送費4,000円を現金で支払った。仕訳してください。

A.

(借)売掛金 300,000 /(貸)売上 300,000
(借)発送費 4,000 /(貸)現金 4,000

売上はあくまで300,000円のまま。当社が負担した送料は発送費(費用)として、別に4,000円を計上します。仕入のときは原価に含めたのに、売るときは別の費用にする ―― この違いに気をつけましょう。

「なぜ仕入は運賃を含めて、売上は含めないの?」と気になった方へ。ざっくり言えば、仕入の運賃は「その商品を仕入れるためにかかった原価」なので商品にくっつけ、売上の発送費は「売った後のサービスコスト」なので別建ての費用にする、という発想です。なお、売るときの送料については、日商簿記3級の出題範囲では当社(売り手)が支払った送料はすべて「発送費(費用)」で処理します。相手との取り決めがどうであれ、当社が払ったのなら発送費 ―― と割り切ってかまいません。「仕入=含める/売上=含めない」の2パターンを確実にできるようにしておけば大丈夫です。

6. 前払金・前受金と受取商品券

最後に、商品の受け渡しの前にお金が動くケースと、代金を商品券で受け取るケースを見ておきましょう。どれも日常のお店でよくある場面です。

6.1 前払金(資産)と前受金(負債)

商品を注文するとき、内金(うちきん)・手付金(てつけきん)として代金の一部を先に払う(受け取る)ことがあります。このとき、まだ商品は動いていないので「仕入」や「売上」は使いません。代わりに次の勘定を使います。

前払金と前受金の仕訳。内金を払う・商品を受け取る・内金を受け取る・商品を引き渡すの4場面
図 4-8 前払金・前受金の流れ。内金を払った時点で「前払金(資産)」、商品を受け取った時点でそれを取り崩して「仕入」に振り替えます。前受金(負債)も同じく、引き渡し時に取り崩して「売上」になります。

Q. 買い手の立場で仕訳してください。
(1) 商品を注文し、内金として50,000円を現金で支払った。
(2) 後日、注文していた商品200,000円を仕入れ、さきの内金を差し引いた残額は掛けとした。

A.

(1)(借)前払金 50,000 /(貸)現金 50,000
まだ商品は届いていないので「仕入」ではなく、前払金(資産)で記録します。

(2)(借)仕入 200,000 /(貸)前払金 50,000/買掛金 150,000
商品が届いたので「仕入」を計上。代金のうち50,000円はさきの前払金を取り崩して充当し、残り150,000円が買掛金になります。借方200,000=貸方(50,000+150,000)で一致します。

Q. 今度は売り手の立場で仕訳してください。
(1) 商品の注文を受け、内金として60,000円を現金で受け取った。
(2) 後日、注文の商品250,000円を引き渡し、さきの内金を差し引いた残額は掛けとした。

A.

(1)(借)現金 60,000 /(貸)前受金 60,000
まだ商品を渡していないので「売上」ではなく、前受金(負債)で記録します。

(2)(借)前受金 60,000/売掛金 190,000 /(貸)売上 250,000
商品を引き渡したので「売上」を計上。さきの前受金60,000円を取り崩し、残り190,000円が売掛金になります。借方(60,000+190,000)=貸方250,000で一致します。

6.2 受取商品券 ―― あとで換金できる資産

お店では、代金を現金ではなく商品券(ギフト券・自治体の商品券など)で受け取ることがあります。受け取った商品券は、後日その発行元に持ちこめばお金に換えてもらえるので、「あとでお金を受け取る権利」=資産にあたります。これを受取商品券(うけとりしょうひんけん)という勘定で記録します。

受取商品券の仕訳。受取時に受取商品券を計上し、精算時に当座預金へ振り替える
図 4-9 受取商品券の仕訳。受け取った時点では現金の代わりに「受取商品券(資産)」で記録し、後日換金したときにお金の勘定へ振り替えます。

Q. 次の取引を仕訳してください。
(1) 商品100,000円を売り上げ、代金は自治体発行の商品券で受け取った。
(2) 後日、上記の商品券を精算し、100,000円が当座預金口座に振り込まれた。

A.

(1)(借)受取商品券 100,000 /(貸)売上 100,000
代金は現金ではありませんが、あとで換金できるので受取商品券(資産)で受けます。

(2)(借)当座預金 100,000 /(貸)受取商品券 100,000
換金できたので、受取商品券(資産)が当座預金(資産)に姿を変えました。

💡 第4章 要点まとめ

おつかれさまでした。商品売買は取引の数が多く、覚える勘定も一気に増えましたが、どれも三分法という土台の上の応用でしたね。「売った・買った・返した・先に払った」を落ち着いて仕訳できれば、簿記の主戦場はもう自分のものです。次の第5章「現金と預金」では、これまで当たり前に使ってきた「現金」を掘り下げます。実は簿記でいう「現金」には、紙幣や硬貨だけでなく他人が振り出した小切手なども含まれる ―― そんな意外なルールから、当座預金・小口現金まで学んでいきましょう。

✍️ 演習(クリックで解答表示)

第4章で学んだ「三分法」「掛け取引」「クレジット売掛金」「返品」「諸掛」「前払金・前受金・受取商品券」を、実際に手を動かして確かめましょう。まずは自分で仕訳を書いてから、解答を開いてくださいね。金額は借方合計=貸方合計になることを、毎回チェックしましょう。

問 1 次の(a)〜(f)は、三分法・掛け取引に関する勘定です。それぞれ簿記の5要素(資産・負債・純資産・収益・費用)のどれにあたりますか。
(a) 仕入 (b) 売上 (c) 売掛金 (d) 買掛金 (e) 繰越商品 (f) 支払手数料

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(a) 仕入 → 費用(商品を買うために使った犠牲)

(b) 売上 → 収益(もうけのプラスの原因)

(c) 売掛金 → 資産(あとで代金を受け取る権利)

(d) 買掛金 → 負債(あとで代金を払う義務)

(e) 繰越商品 → 資産(売れ残った在庫。決算のときに登場)

(f) 支払手数料 → 費用(カード会社などに支払う手数料)

問 2 次の一連の取引を、三分法で仕訳してください。
(1) 商品150,000円を仕入れ、代金は掛けとした。
(2) 商品を230,000円で売り上げ、代金は掛けとした。
(3) (1)の買掛金150,000円を現金で支払った。
(4) (2)の売掛金230,000円を現金で回収した。

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(1)(借)仕入 150,000 /(貸)買掛金 150,000

(2)(借)売掛金 230,000 /(貸)売上 230,000

(3)(借)買掛金 150,000 /(貸)現金 150,000

(4)(借)現金 230,000 /(貸)売掛金 230,000

仕入時に立てた買掛金は(3)で消え、売上時に立てた売掛金は(4)で消えます。発生と決済の往復を確認しましょう。

問 3 商品80,000円をクレジットカード払いで販売した。カード会社への手数料は売上代金の5%である。
(1) 販売時の仕訳を書いてください。
(2) 後日、手数料を差し引いた残額が当座預金に入金された。入金時の仕訳を書いてください。

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手数料 = 80,000 × 5% = 4,000円。手元に入る額 = 80,000 − 4,000 = 76,000円。

(1)(借)クレジット売掛金 76,000/支払手数料 4,000 /(貸)売上 80,000

(2)(借)当座預金 76,000 /(貸)クレジット売掛金 76,000

売上は手数料を引く前の満額80,000円で計上するのがポイント。(1)は借方合計(76,000+4,000=80,000)=貸方80,000で一致します。

問 4 次の返品の取引を仕訳してください。
(1) さきに掛けで仕入れた商品のうち、15,000円分を品質不良のため返品した。
(2) さきに掛けで売り上げた商品のうち、25,000円分が返品されてきた。

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(1)(借)買掛金 15,000 /(貸)仕入 15,000

(自分が返すのは仕入戻し。もとの「(借)仕入/(貸)買掛金」を逆に書き、仕入と買掛金を減らします。)

(2)(借)売上 25,000 /(貸)売掛金 25,000

(返されるのは売上戻り。もとの「(借)売掛金/(貸)売上」を逆に書き、売上と売掛金を減らします。)

問 5 商品180,000円を掛けで仕入れ、その際の引取運賃6,000円を現金で支払った。この取引を仕訳し、あわせて「借方の仕入がいくらになるか」を答えてください。

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引取運賃は仕入原価に含めるので、仕入 = 180,000 + 6,000 = 186,000円。

(借)仕入 186,000 /(貸)買掛金 180,000/現金 6,000

商品代金は掛け(買掛金180,000)、運賃は現金払い(現金6,000)。借方186,000=貸方(180,000+6,000)で一致します。

問 6 商品250,000円を掛けで売り上げ、当社負担の発送費3,500円を現金で支払った。この取引を仕訳してください。

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(借)売掛金 250,000 /(貸)売上 250,000

(借)発送費 3,500 /(貸)現金 3,500

売るときの当社負担の送料は、売上に含めず発送費(費用)で処理します。仕入のときの引取運賃(原価に含める)との違いに注意しましょう。

問 7 次の一連の取引を、買い手の立場で仕訳してください。
(1) 商品を注文し、内金として40,000円を現金で支払った。
(2) 後日、注文していた商品160,000円を仕入れ、内金を差し引いた残額は掛けとした。

解答を見る

(1)(借)前払金 40,000 /(貸)現金 40,000

(まだ商品は届いていないので「仕入」ではなく前払金(資産)で記録します。)

(2)(借)仕入 160,000 /(貸)前払金 40,000/買掛金 120,000

(商品が届いたので仕入を計上。さきの前払金40,000円を取り崩し、残り120,000円が買掛金です。借方160,000=貸方(40,000+120,000)で一致します。)

問 8 次の(a)〜(d)の説明は、正しければ○、まちがっていれば×を付け、×の場合は正しい内容を書いてください。
(a) 三分法では、商品を仕入れるたびに「繰越商品」を増やす。
(b) クレジット払いで販売したとき、売上は手数料を差し引いた金額で計上する。
(c) 商品を注文されて内金を受け取ったときは、前受金(負債)で処理する。
(d) 代金を商品券で受け取ったときは、受取商品券(資産)で処理する。

解答を見る

(a) ×。日々の仕入では「仕入(費用)」で記録します。繰越商品が登場するのは決算のときだけです。

(b) ×。売上は手数料を引く前の満額(売価)で計上します。手数料は別に支払手数料(費用)として処理します。

(c) ○。まだ商品を渡していないので「売上」ではなく、前受金(負債)で記録します。

(d) ○。あとで換金できる権利なので受取商品券(資産)です。

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