ゼロからわかる簿記 ― 第8章

固定資産と減価償却

高い買い物のコストを、使う年数に分けて少しずつ費用にする ―― 取得原価・定額法・月割・間接法・売却損益を、図でゆっくりつかみましょう。

会社は、商品だけでなく建物・車・パソコン・コピー機といった、長く使う道具もたくさん持っています。こうした「1年を超えて会社の営業に使う財産」を固定資産(こていしさん)といいます。 ここで、ひとつ素朴な疑問がわいてきます。300万円で買った車は、10年後もずっと帳簿に「300万円」のままでよいのでしょうか。実際には、使うほどに古くなり、価値は少しずつ下がっていきますよね。 この章のテーマは、まさにその「価値が少しずつ減っていくのを、どう帳簿に映すか」という話です。これを減価償却(げんかしょうきゃく)といいます。名前は少しいかめしいですが、考え方は「高い買い物のコストを、使う年数に分けて少しずつ費用にする」だけ。ひとつずつ、ていねいに進めていきましょう。

🎯 この章でマスターしておきたいこと

📚 本章の流れ

  1. 固定資産を買う ―― 取得原価と付随費用
  2. 減価償却の考え方 ―― 価値が少しずつ減る
  3. 減価償却の記帳 ―― 間接法と帳簿価額
  4. 固定資産を売る ―― 帳簿価額と売却損益
  5. 資本的支出と収益的支出 ―― 改良と修繕
  6. 要点まとめ

1. 固定資産を買う ―― 取得原価と付随費用

1.1 固定資産とは

固定資産とは、1年を超えて会社の営業のために使う財産のことです。この章であつかうのは、そのうち形のある有形固定資産(ゆうけいこていしさん)――たとえば建物・土地・車両運搬具(営業車など)・備品(パソコン・机・コピー機など)です。どれも「持っている財産」なので、5要素でいえば資産のグループに入ります。ここまでは第1章で学んだとおりですね。

1.2 取得原価には「付随費用」も含める

固定資産を買うと、本体の代金以外にもいろいろなお金がかかります。たとえば建物を買えば、不動産屋に払う仲介手数料や名義を変えるための登記料がかかりますし、機械を買えば据え付け(設置)費用や運送費がかかります。こうした「その資産を使える状態にするまでにかかった費用」を付随費用(ふずいひよう)といいます。

簿記では、この付随費用も取得原価(しゅとくげんか)に含めるのがルールです。「その資産を手に入れて使い始めるための総コスト」を、まるごと資産の値段とみなす、というわけですね。

取得原価の計算 $$\text{取得原価} \;=\; \text{購入代金} \;+\; \text{付随費用(仲介手数料・登記料・設置費用など)}$$ 「使える状態にするまでにかかったお金」を、ぜんぶ資産の値段に含めます。
取得原価の構成 購入代金+付随費用=取得原価
図 8-1 取得原価の構成。本体の購入代金(3,000,000円)に、仲介手数料(150,000円)と登記料(50,000円)という付随費用を足した3,200,000円が、この建物の取得原価になります。

Q. 営業用の建物を3,000,000円で購入し、仲介手数料150,000円と登記料50,000円とあわせて、小切手を振り出して支払った。この取引を仕訳してみましょう。

A. まず取得原価を計算します。付随費用の仲介手数料と登記料も建物の値段に含めるので、
取得原価 = 3,000,000 + 150,000 + 50,000 = 3,200,000円。
小切手を振り出したので、貸方は当座預金です。仕訳は次のとおり。

(借)建物 3,200,000 / (貸)当座預金 3,200,000

付随費用を「支払手数料」などの費用にしてしまわないよう注意してください。あくまで建物という資産の一部として、まとめて計上します。借方3,200,000円=貸方3,200,000円で一致していますね。

「なぜ付随費用まで資産に含めるの?」と気になった方へ。ポイントは、あとで学ぶ減価償却にあります。取得原価は、これから何年もかけて少しずつ費用にしていく金額です。付随費用も「その資産を使うためにかかったコスト」なのですから、本体代金と同じように、使う年数に分けて費用化するのが自然というわけですね。ここは会計の教科書(財務会計講義)でも当然の前提として登場します。今のうちに「付随費用は取得原価へ」を体にしみこませておきましょう。

2. 減価償却の考え方 ―― 価値が少しずつ減る

2.1 なぜ「少しずつ費用にする」のか

600,000円のパソコン(備品)を買ったとします。これを買った年に600,000円まるごと費用にしてしまうと、その年だけ費用がドンとふくらみ、翌年からはタダで使えることになってしまいます。でも実際には、このパソコンは何年にもわたって会社の売上に貢献してくれますよね。

そこで簿記では、固定資産を使える年数(耐用年数)にわたって、取得原価を少しずつ費用にしていくという考え方をとります。これが減価償却です。1年ぶんの費用を減価償却費(げんかしょうきゃくひ)といい、これは5要素でいえば費用です。耐用年数(たいようねんすう)とは「その資産が使えると見積もった年数」のことです。

2.2 定額法 ―― 毎年おなじ金額ずつ減らす

減価償却の代表的なやり方が定額法(ていがくほう)です。名前のとおり、毎年おなじ金額(定額)ずつ費用にしていきます。計算はとてもシンプルです。

定額法(残存価額ゼロ) $$\text{1年分の減価償却費} \;=\; \frac{\text{取得原価}}{\text{耐用年数}}$$ 使い終わったときの価値(残存価額)をゼロとみなす場合の式です。

ここで残存価額(ざんぞんかがく)とは、「耐用年数が終わったときに残る、と見積もった価値」のことです。近年は残存価額をゼロとして計算するのがふつうですが、古くからの問題では残存価額を取得原価の10%とおくものもあります。その場合は、減らせる金額(取得原価−残存価額)を耐用年数で割ります。

定額法(残存価額10%) $$\text{1年分の減価償却費} \;=\; \frac{\text{取得原価} \;-\; \text{残存価額}}{\text{耐用年数}} \;=\; \frac{\text{取得原価} \times 0.9}{\text{耐用年数}}$$ 残存価額が取得原価の10%なら、減らせるのは残りの90%です。

Q. 取得原価600,000円、耐用年数5年の備品について、定額法による1年分の減価償却費を求めましょう。(1) 残存価額をゼロとする場合、(2) 残存価額を取得原価の10%とする場合。

A.

(1) 残存価額ゼロ:600,000 ÷ 5 = 120,000円(毎年120,000円ずつ費用にします)

(2) 残存価額10%:残存価額は600,000×0.1=60,000円。減らせる金額は600,000−60,000=540,000円。
540,000 ÷ 5 = 108,000円(=600,000×0.9÷5でも同じ)

同じ資産でも、残存価額の置き方で1年分の金額が変わります。問題文に「残存価額ゼロ」「残存価額は取得原価の10%」などの指示があるので、それに従って計算しましょう。

定額法だと、資産の帳簿上の価値は毎年おなじ金額ずつ、まっすぐ下がっていきます。取得原価600,000円・耐用年数5年・残存価額ゼロの例で、価値の減り方を図にしてみましょう。

定額法による帳簿価額の推移グラフ 毎年120000円ずつ減少
図 8-2 定額法による帳簿価額の推移。毎年120,000円ずつ一定のペースで減っていき、5年で0になります。「価値が少しずつ減る」ようすが、まっすぐな右下がりの線で表せます。

2.3 年度の途中で買ったら「月割計算」

ここまでは「1年まるまる使った」前提でした。では、年度の途中で買った場合はどうでしょう。たとえば決算日が3月31日の会社が、12月1日に備品を買ったとします。この年に使ったのは12月・1月・2月・3月の4か月分だけ。それなのに1年分の減価償却費を計上するのは、少し多すぎますね。

そこで、使った月数に応じて減価償却費を計算します。これを月割計算(つきわりけいさん)といいます。1か月未満の端数は、ふつう1か月として数えます。

月割の減価償却費 $$\text{減価償却費} \;=\; \text{1年分の金額} \;\times\; \frac{\text{使った月数}}{12}$$

Q. 12月1日に備品480,000円を購入した(耐用年数8年、残存価額ゼロ、定額法)。決算日は3月31日である。この年の減価償却費はいくらですか。

A. まず1年分を求めます:480,000 ÷ 8 = 60,000円。
使ったのは12月から3月までの4か月なので、月割にします。
減価償却費 = 60,000 × 4/12 = 20,000円。
「1年分をまず出してから、月数で按分(あんぶん)する」の2ステップで考えると、まちがえにくいですよ。

3. 減価償却の記帳 ―― 間接法と帳簿価額

3.1 間接法 ―― 資産を直接は減らさない

減価償却費を計算できたら、次は仕訳です。日商簿記3級では間接法(かんせつほう)という記帳方法を使います。間接法では、備品や建物といった資産の金額そのものは減らさず、代わりに減価償却累計額(げんかしょうきゃくるいけいがく)という科目で、減った分を積み上げていきます。

仕訳は次のようになります。借方は費用である減価償却費、貸方は減価償却累計額です。

決算 1年分の減価償却の仕訳 借方減価償却費 貸方減価償却累計額
図 8-3 間接法による決算の仕訳。借方に「減価償却費(費用)」、貸方に「減価償却累計額」。資産である備品の金額は600,000円のまま動かしません。

「減価償却累計額」は、資産のマイナスを表す少し特殊な勘定です。貸方に積み上がっていき、これまでに減らしてきた金額の合計を示します。「累計」という名前のとおり、毎年の減価償却費がたまっていくイメージですね。

なぜ資産を直接減らさず、わざわざ「累計額」という別勘定を使うのでしょうか。理由は、「もともといくらで買ったか(取得原価)」と「これまでどれだけ減らしたか(累計額)」の両方を、帳簿に残しておきたいからです。備品を直接120,000円ずつ減らしていくと、取得原価600,000円という情報が消えてしまいます。間接法なら、備品600,000円はそのまま、累計額は別に積み上がる。だから貸借対照表を見れば「600,000円で買って、これまでに◯◯円ぶん古くなった」と一目で分かるのです。この控除(こうじょ)形式の表示は、会計の教科書でも当たり前に出てきます。

3.2 帳簿価額 = 取得原価 − 減価償却累計額

間接法では、資産の「いまの帳簿上の価値」は、取得原価そのものではありません。取得原価から、これまでの減価償却累計額を引いた金額――これを帳簿価額(ちょうぼかがく)といいます。「簿価(ぼか)」と略すこともあります。

帳簿価額の計算 $$\text{帳簿価額} \;=\; \text{取得原価} \;-\; \text{減価償却累計額}$$ いま帳簿の上で、その資産にいくらの価値が残っているかを表します。
帳簿価額の関係図 取得原価から減価償却累計額を引くと帳簿価額
図 8-4 帳簿価額の関係。取得原価600,000円の備品を3年間償却すると、減価償却累計額は120,000×3=360,000円。残りの240,000円が、いまの帳簿価額です。

Q. 取得原価600,000円の備品を、定額法(耐用年数5年・残存価額ゼロ)で3年間、間接法により償却してきた。3年経過後の (1) 減価償却累計額、(2) 帳簿価額を求めましょう。

A. 1年分の減価償却費は600,000÷5=120,000円です。
(1) 減価償却累計額 = 120,000 × 3年 = 360,000円
(2) 帳簿価額 = 取得原価 − 減価償却累計額 = 600,000 − 360,000 = 240,000円
図8-2のグラフで「3年」のところを見ると、ちょうど帳簿価額240,000円になっていますね。グラフと計算が一致していることを確かめてください。

4. 固定資産を売る ―― 帳簿価額と売却損益

4.1 売却の考え方 ―― 帳簿価額と売った値段をくらべる

使っていた固定資産を、途中で売ることもあります。このとき大事なのは、「その資産が帳簿上いくらの価値だったか(帳簿価額)」と「実際にいくらで売れたか(売却額)」をくらべることです。

売却の仕訳では、その資産と、それにひもづく減価償却累計額を、両方とも帳簿から消すのがポイントです。備品を貸方に取得原価で書いて消し、これまで貸方に積み上げてきた累計額は借方に書いて消します。

4.2 期首に売る場合

期首に備品を売却した仕訳 固定資産売却益
図 8-5 期首の売却(売却益が出る例)。備品(取得原価600,000円・累計額360,000円・帳簿価額240,000円)を250,000円で売ったので、差額10,000円が固定資産売却益になります。

Q. 期首に、備品(取得原価600,000円、減価償却累計額360,000円、間接法)を250,000円で売却し、代金は現金で受け取った。この取引を仕訳しましょう。

A. まず帳簿価額を求めます:600,000 − 360,000 = 240,000円。
売却額250,000円 > 帳簿価額240,000円 なので、差額10,000円は固定資産売却益です。
備品(600,000)と累計額(360,000)を消し、受け取った現金と売却益を計上します。

(借)減価償却累計額 360,000 現金 250,000 / (貸)備品 600,000 固定資産売却益 10,000

借方合計 = 360,000 + 250,000 = 610,000円、貸方合計 = 600,000 + 10,000 = 610,000円。ぴったり一致していますね。

4.3 期中に売る場合 ―― 当期分を月割してから

年度の途中で売る場合は、ひと手間増えます。期首から売却日までの当期分の減価償却費を、まず月割で計上してから、売却の処理をするのです。こうしないと、当期に使った分の価値の減少が帳簿に反映されません。

期中に備品を売却した仕訳 当期分を月割償却 固定資産売却損
図 8-6 期中の売却(売却損が出る例)。当期4か月分の減価償却費48,000円をまず計上し、そのうえで売却を処理します。売却損40,000円が生じています。

Q. 会計期間は4月1日〜3月31日。当期の7月31日に、備品(取得原価720,000円、期首の減価償却累計額432,000円、間接法)を200,000円で売却し、代金は現金で受け取った。耐用年数5年・残存価額ゼロ・定額法である。仕訳しましょう。

A. 手順を分けて考えます。

① 当期分の減価償却費(4月〜7月の4か月)を月割で計算:1年分は720,000÷5=144,000円。144,000 × 4/12 = 48,000円。

② 売却時点の帳簿価額:600,000... ではありません。取得原価720,000 − 期首累計額432,000 − 当期分48,000 = 240,000円。

③ 売却額200,000円 < 帳簿価額240,000円 なので、差額40,000円は固定資産売却損。

(借)減価償却累計額 432,000 減価償却費 48,000 現金 200,000 固定資産売却損 40,000 / (貸)備品 720,000

借方合計 = 432,000 + 48,000 + 200,000 + 40,000 = 720,000円。貸方は備品720,000円。しっかり一致しています。当期分の減価償却費48,000円を忘れると答えがずれるので、期中売却では必ず「まず月割償却」を思い出してください。

減価償却は、アクチュアリー試験の「会計」でも重要なテーマです。会社の利益は「収益−費用」で決まりますが、減価償却費はその費用の大きな一角。どんな方法・年数で償却するかによって、各年度の利益の出方が変わってきます。だからこそ会計の教科書(財務会計講義)でも、減価償却の考え方や方法がていねいに扱われます。いまここで学んでいる「取得原価を耐用年数に配分する」という発想は、そのまま先の学習の土台になりますよ。焦らず、計算の手順を手になじませておきましょう。

5. 資本的支出と収益的支出 ―― 改良と修繕

固定資産は、買ったあとも維持のためにお金がかかります。この「あとからかかる支出」には、性質のちがう2種類があり、処理も変わります。

資本的支出と収益的支出の比較表 改良は資産 修繕は費用
図 8-7 資本的支出と収益的支出のちがい。「価値を高める改良」は資産に、「現状を維持する修繕」は費用に。処理先が正反対なので、しっかり区別しましょう。

Q. 建物の工事を行い、代金1,000,000円を小切手を振り出して支払った。このうち600,000円は建物の価値を高める改良(資本的支出)であり、400,000円は破損箇所の修繕(収益的支出)であった。仕訳しましょう。

A. 改良分は建物(資産)を増やし、修繕分は修繕費(費用)で処理します。支払いは小切手なので貸方は当座預金です。

(借)建物 600,000 修繕費 400,000 / (貸)当座預金 1,000,000

借方合計 = 600,000 + 400,000 = 1,000,000円で、貸方の当座預金1,000,000円と一致します。「価値を高めたか/元に戻しただけか」を見分けるのがコツです。

資本的支出と収益的支出の区別は、利益に直結するので大切です。もし修繕にすぎない支出を建物(資産)にしてしまうと、その期の費用が過少になり、利益が実際より大きく見えてしまいます。逆に、価値を高める改良を修繕費にすると、費用が過大になります。「どちらに計上するか」で会社の成績が変わる――だからこそ、簿記でも会計でも、この区別がくり返し問われるのです。判断に迷ったら、「新しい価値を付け加えたか?(→資本的支出)」「壊れたものを元に戻しただけか?(→収益的支出)」と自問してみてください。

💡 第8章 要点まとめ

おつかれさまでした。固定資産は「買って終わり」ではなく、使うほどに価値が減り、いつかは売られる――その一生を数字で追いかけるのが、この章の減価償却でした。取得原価の計算、定額法と月割、間接法での帳簿価額、そして売却損益。手順をひとつずつ確認すれば、必ず解けるようになります。次の第9章「貸倒れと貸倒引当金」では、売掛金などの債権が回収できなくなったときの処理を学びます。ここでも「まだ確定していない将来の減少を、あらかじめ見積もって帳簿に映す」という、減価償却とよく似た発想が出てきますよ。引き続き、一歩ずつ進んでいきましょう。

✍️ 演習(クリックで解答表示)

第8章で学んだ「取得原価」「定額法と月割」「間接法と帳簿価額」「売却損益」「資本的支出と収益的支出」を、実際に手を動かして確認しましょう。仕訳は自分で紙に書いてから、解答を開いてくださいね。すべて借方合計=貸方合計になることも確かめましょう。

問 1 備品(パソコン)を480,000円で購入し、引取運賃15,000円と据付費用5,000円とあわせて、代金は現金で支払った。取得原価を求め、仕訳を示してください。

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引取運賃と据付費用は付随費用なので、取得原価に含めます。

取得原価 = 480,000 + 15,000 + 5,000 = 500,000円

(借)備品 500,000 / (貸)現金 500,000

借方500,000円=貸方500,000円で一致します。付随費用を「支払手数料」などにしないよう注意しましょう。

問 2 取得原価800,000円、耐用年数8年の備品について、定額法による1年分の減価償却費を求めてください。(1) 残存価額をゼロとする場合、(2) 残存価額を取得原価の10%とする場合。

解答を見る

(1) 残存価額ゼロ:800,000 ÷ 8 = 100,000円

(2) 残存価額10%:減らせる金額は800,000×0.9=720,000円。720,000 ÷ 8 = 90,000円

残存価額の置き方で1年分の金額が変わります。問題の指示に従いましょう。

問 3 決算(3月31日)にあたり、備品(取得原価600,000円、耐用年数5年、残存価額ゼロ、定額法、間接法)の減価償却を行う。1年分の仕訳を示してください。

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1年分の減価償却費 = 600,000 ÷ 5 = 120,000円。間接法なので、貸方は減価償却累計額です。

(借)減価償却費 120,000 / (貸)減価償却累計額 120,000

備品600,000円そのものは減らさず、累計額を積み上げていく点が間接法の特徴です。

問 4 11月1日に車両運搬具(営業車)900,000円を購入した(耐用年数6年、残存価額ゼロ、定額法、間接法)。決算日は3月31日である。この年の決算で計上する減価償却費を計算し、仕訳を示してください。

解答を見る

まず1年分:900,000 ÷ 6 = 150,000円。

使ったのは11月・12月・1月・2月・3月の5か月なので、月割にします。

減価償却費 = 150,000 × 5/12 = 62,500円

(借)減価償却費 62,500 / (貸)減価償却累計額 62,500

「1年分をまず出してから、月数で按分」の順で計算すると確実です。

問 5 取得原価1,000,000円の備品を、定額法(耐用年数10年、残存価額ゼロ)で4年間、間接法により償却してきた。4年経過後の (1) 減価償却累計額、(2) 帳簿価額を求めてください。

解答を見る

1年分の減価償却費 = 1,000,000 ÷ 10 = 100,000円。

(1) 減価償却累計額 = 100,000 × 4年 = 400,000円

(2) 帳簿価額 = 取得原価 − 減価償却累計額 = 1,000,000 − 400,000 = 600,000円

問 6 期首に、備品(取得原価500,000円、減価償却累計額300,000円、間接法)を230,000円で売却し、代金は現金で受け取った。仕訳を示し、固定資産売却益または売却損の金額を答えてください。

解答を見る

帳簿価額 = 500,000 − 300,000 = 200,000円。売却額230,000円 > 帳簿価額200,000円 なので、差額30,000円は固定資産売却益です。

(借)減価償却累計額 300,000 現金 230,000 / (貸)備品 500,000 固定資産売却益 30,000

借方合計 = 300,000 + 230,000 = 530,000円、貸方合計 = 500,000 + 30,000 = 530,000円で一致します。

問 7 会計期間は4月1日〜3月31日。当期の9月30日に、備品(取得原価600,000円、期首の減価償却累計額240,000円、間接法)を250,000円で売却し、代金は現金で受け取った。耐用年数5年・残存価額ゼロ・定額法である。当期分の減価償却費を月割で計上したうえで、売却の仕訳を示してください(両方を1つの仕訳にまとめてよい)。

解答を見る

① 当期分の減価償却費(4月〜9月の6か月):1年分は600,000÷5=120,000円。120,000 × 6/12 = 60,000円。

② 売却時点の帳簿価額 = 600,000 − 240,000 − 60,000 = 300,000円。

③ 売却額250,000円 < 帳簿価額300,000円 なので、差額50,000円は固定資産売却損。

(借)減価償却累計額 240,000 減価償却費 60,000 現金 250,000 固定資産売却損 50,000 / (貸)備品 600,000

借方合計 = 240,000 + 60,000 + 250,000 + 50,000 = 600,000円で、貸方の備品600,000円と一致します。期中売却では「まず当期分を月割償却」を忘れないようにしましょう。

問 8 建物の工事を行い、代金1,500,000円を小切手を振り出して支払った。このうち900,000円は建物の価値を高める改良(資本的支出)、600,000円は破損箇所の修繕(収益的支出)であった。仕訳を示してください。

解答を見る

改良分は建物(資産)を増やし、修繕分は修繕費(費用)で処理します。支払いは小切手なので貸方は当座預金です。

(借)建物 900,000 修繕費 600,000 / (貸)当座預金 1,500,000

借方合計 = 900,000 + 600,000 = 1,500,000円で、貸方の当座預金1,500,000円と一致します。

問 9 次の(a)〜(d)の支出は、資本的支出(改良)と収益的支出(修繕)のどちらにあたりますか。また、それぞれ何勘定で処理しますか。
(a) 建物に非常階段を増設した (b) 割れた窓ガラスを取り替えた (c) 機械の定期点検を行った (d) 店舗を増築して床面積を広げた

解答を見る

「新しい価値を付け加えたか(→資本的支出)」「壊れたものを元に戻しただけか(→収益的支出)」で見分けます。

(a) 非常階段の増設 → 資本的支出(建物などの資産で処理)

(b) 割れた窓の取替え → 収益的支出(修繕費で処理)

(c) 機械の定期点検 → 収益的支出(修繕費で処理)

(d) 店舗の増築 → 資本的支出(建物などの資産で処理)

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